2004 Fiscal Year Annual Research Report
人口高齢化が企業の組織形態と技術選択に及ぼす影響に関する理論および実証分析
Project/Area Number |
15730142
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
橋本 浩幸 兵庫県立大学, 経営学部, 助教授 (30295620)
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Keywords | 経済成長 / 企業組織 / 人口 / 経済政策 |
Research Abstract |
今年度の研究を通じて申請者が明らかにしたいことは、出生率の変化が引き起こす将来の異世代労働者比率の変化に対し、企業が選択している技術を変更したときの経済成長率の動向を理論的に明らかにすることであった。そのために、研究期間初年度に初年度に展開した、企業に異なる世代および異なる質の労働者が存在するモデルを用いた。得られた結果は、低出生率のもとでも、企業内部における人的資源管理を適切に行うことによって、経済成長率を低下させないようにすることが可能であるというものである。また、展開しているモデル経済において、異世代労働者間の代替性・補完性の程度を変えることが、どのようなメカニズムを通じて経済成長率に影響をもたらすのかを明らかにすることは重要であり、現在取り組み中である。現時点での成果としては興味深い理論的示唆が得られてはいるが、モデル細部の構造として、企業内の組織選択・人的資源管理のメカニズムが依然としてブラックボックスとなっている。経営者-労働者間のインセンティブの構造や若年期での教育プロセスを明示することも課題として残っている。
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