2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国西部放牧地域における貧困軽減のための地域開発に関する研究
Project/Area Number |
15730146
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
李 ふ屏 龍谷大学, 社会学部, 講師 (90351337)
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Keywords | 中国 / 放牧民 / 貧困 / 自給自足 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国西部放牧地域(主に内モンゴル自治区・新彊ウイグル族自治区・チベット自治区の3地域)における貧困の現状を把握するとともに、経済・社会・生態環境などの多次元から貧困の規定要因を分析し、現地の実情に適合した貧困軽減の開発のあり方を構築することにある。この目的を実現するために、3つの放牧地域に関する文献研究とともに、現地調査が必要不可欠である。 平成15年度に行った主な研究活動は以下のいくつである。(1)中国国内の大学などの研究機関、統計局を訪問し、3地域に関する文献・資料を収集した。(2)中国四川省草原研究所へ訪問し、現地の研究者たちと研究会を開き、調査地の経済・経営・生態環境について情報を交換した。(3)チベット自治区に隣接する四川省紅原県(チベット族居住区)にて、放牧民に対してインタビューを行った。 その結果、(1)収集した文献を整理することにより、3地域に関する研究動向を把握することができた。しかも、3地域に関するミクロ的な実証研究が極めて少ないことに確信した。(2)現地放牧民へのインタビューを通じて、放牧民の生活に自給自足の部分が大きいため、放牧民の生活水準を正確に把握するには、統計データに反映できない自給自足の部分を注意深く見極める必要があると思われる。
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