2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業における労働安全の確保にかかわるコストの管理について
Project/Area Number |
15730219
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡本 直之 愛媛大学, 地域創成研究センター, 助教授 (60273562)
|
Keywords | 労働安全対策 / 費用対効果 / コストドライバ / OHSAS |
Research Abstract |
本研究は、労働安全対策活動のコストをより適切に把握することおよび、その費用対効果の適切な把握を可能にすることを目的としている。本年度は特に、労働安全対策活動のコストの範囲および把握方法をより具体的に検討した。 すなわち、労働安全対策についての企業の取り組みをより詳細に調査した。そこでは、労働安全対策のコストならびにその費用便益がどのように把握されているのか、以下の現状について聞き取り調査を行った。 (1)現状での安全対策コストの範囲について。 (2)安全対策コストのコストドライバ。 (3)安全対策コストに含めるべき範囲の提案。 (4)企業における安全対策コストの管理方法の現状について。 日本でも労働安全対策の国際的規格のひとつであるOHSASに適合した企業が増加している。また、企業の社会的責任として労働安全対策活動に取り組む企業が増えている。これら先進的企業に訪問調査をすることにより、明示的・積極的に労働安全対策を実施する企業の情報を収集する一方、規格に適合的な作業服を製造・販売しようとする愛媛県内の企業と情報交換を行い、より詳細な専門知識の提供を受けながら研究を進めた。また、RFIDタグを利用した施設管理の効率化について実地調査を行う機会を得たため、これを労働安全対策活動の効率化と関連付けて検討しているところである。 次年度は本研究の最終年度であることから、労働安全対策活動の費用便益の検討方法を具体的に提案することを計画している。そのことから、経済学分野における費用便益分析について検討を進めるとともに、会計数値による費用便益分析について、これまでの研究や最新の動向について調査した。
|