2004 Fiscal Year Annual Research Report
児童福祉施設における要養護児童の生活環境と援助職員の職場環境の関連性に関する研究
Project/Area Number |
15730271
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
潮谷 恵美 久留米大学, 文学部, 講師 (70287910)
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Keywords | 児童養護施設 / 乳児院 / ケアの小規模化 / 職場環境 / 生活環境 |
Research Abstract |
平成17度は、養護ニーズに応じた人的・物的生活環境ならびに援助の提供に資する児童福祉施設職員の職場環境に関する現状の分析、課題の析出を目的として、ケアの小規模化の取り組みや援助職員の職場環境の実態調査等の文献資料を分析、日本社会福祉学会での報告並びに論文執筆を行った。そのなかでケア単位の小規模化への取り組みプロセス上の課題、児童の生活環境の成り立ちに関わる条件、個々の援助職員の職場環境に対する個別的条件などは更なる実証的な検証の必要があることが明らかになった。以上のことを踏まえて本年度は資料収集とあわせて実証的な研究として、小規模ケア単位への移行実践のプロセスの事例調査と全国乳児院の職員を対象に職場環境に関する郵送調査依頼を実施した。前者は敷地内に乳児院、児童養護施設が併設されている-法人内施設においてケア単位の小規模化へむけた移行計画から準備、児童の生活移動、移動後の生活環境の変化、援助者の職場環境の変化のプロセス調査である。援助課題の析出を目的に資料提供ならびに援助職員面接の協力が得られた。面接は環境移行後2ヶ月経過時点で援助職員に対して環境移行に関わる職場環境の変化のプロセスを中心に半構造化面接の方法を用いて聞き取りを実施した。対象は新たに小規模ケア単位のために改築された棟を担当する援助職員全員にあたる7人。職種や援助経験、移動以前の担当部署の違いによるそれぞれの移行に対する態度や職務上の着眼点、職場環境にかかわる意識などが明らかにされた。さらに分析を重ね、児童の生活環境の変化と援助職員の職場環境の関連について移行プロセスにおける課題の析出を引き続き行う。後者は全国の乳児院職員を対象に、Moosの職場環境スケールを含めて検討した調査項目を用いた援助行為及び援助内容と援助体制に関する実態把握を目的に自計式の質問紙法による調査の依頼実施であり、回収分析を進めている。
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Research Products
(1 results)