2003 Fiscal Year Annual Research Report
人間の身体特性や心理特性の起源や形成要因についての信念の発達過程を解明する
Project/Area Number |
15730293
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中島 伸子 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (40293188)
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Keywords | 認知発達 / 特性の起源 / 特性の変容可能性 / 文化の影響 / 身体特性 / 心理特性 |
Research Abstract |
本年度は、望ましい特性や望ましくない特性の起源についての信念の発達過程を明らかにすること、こうした信念は特性の種類によって異なるかどうかを明らかにすることが目的であった。日本人の5-6歳児32名、8・10歳児32名、大学生64名の3年齢群を対象に、望ましい特性あるいは望ましくない特性を持つ子どもの話を聞かせる。その後、その人物がその特性を示すのは、「努力をしたから(しなかったから)」、「生まれつき」、「他者からの教えがあったから(なかったから)」、「まだ充分に成熟していないから」(望ましくない特性の場合のみ)のうちどれがあてはまるかを質問した。次の16個の特性について調べた。(1)望ましい特性:小指がある・背が高い・視力が良い・運動が得意(身体特性)・優しい・賢い・きれい好き・社交的(心理特性)(2)望ましくない特性:小指がない・背が低い・視力が悪い・運動が苦手(身体特性)・意地悪・賢くないこと・だらしない・はずかしがり、(心理特性)。子どもに対しては個人面接調査を行い、選択肢の提示時に図版も提示した。大学生に対しては話と課題を冊子にして配布し集団調査を行った。その結果、特性の起源についての信念は、幼児や小学生は「努力したから(しなかったから)」と考える傾向が強いのに対し、大学生は「生まれつき」や「他者からの教えがあったから(なかったから)」と考える傾向が強いことが示された。幼児では望ましくない特性については「まだ充分に成熟していないから」と考える傾向が比較的高いのも特徴的であった。また大学生や小学生だけでなく幼児でさえ、特性の種類によってその起源を区別しており、心理特性と比較して身体特性に対しては「生まれつき」を選択する割合が多かった。来年度は米国のデータを収集し日本のデータと比較検討することによって、特性の起源についての信念は文化の影響を受けるかどうかを検討する。
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