2004 Fiscal Year Annual Research Report
父親・母親における仕事と家庭の多重役割と家族の心理的健康に関する縦断調査
Project/Area Number |
15730319
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
福丸 由佳 聖徳大学, 人文学部, 専任講師 (10334567)
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Keywords | 乳幼児 / 父親・母親 / 夫婦関係 / 心理的健康 / 縦断調査 / 妊娠期 / 経済的満足度 / 家族関係 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、乳幼児を持つ父母を対象とした縦断調査の3回目の調査を実施した。また、研究の実績報告については、全データがそろった第1回の調査結果を中心に結果をまとめ、学会誌などに投稿した(別紙、研究報告に記載)。 まず3回目の調査については、第1回調査協力者の夫925人、妻1147人から調査用紙を郵送で回収した。本年度3月末時点で3回目のデータも収集が終了する。この調査は、生後1年の時点に該当するが、主に産前・産後の育児支援や育児休暇の取得に焦点をあてているのが特徴である。質問紙の内容は心理的健康(抑うつ尺度、GHQ等)、夫婦関係、性役割観、家事分担比率、親としての意識、子どもの気質など1、2回目と同様の内容に加え、実際に受けた支援の内容や、今後必要と思われる育児支援についてもたずねている。また、育児休暇の取得などについても詳しく状況尋ね、特に育児休暇を取得した父親に対しては、その長短にかかわらず電話によるインタビューなども実施している。人数は少ないものの、育児休暇取得にかかわる意識や職場の対応などに関して、より詳細なデータをとることで、広い意味での今後の父親支援について、意義ある提言が可能になると考えている。これらの結果を来年度以降、学会発表や論文作成などを通じて順次行っていく。 本年度の業績は、先述の通り主に第1回目のデータに基づくものである。特に妊娠期の夫婦関係と経済状況との夫の変化に対する夫婦の意識の違いを中心に分析した。その結果、特に夫が主な稼ぎ手である専業主婦世帯やパートタイム就労世帯で、経済的満足度の低さと夫婦関係の葛藤の高さが有意な関連を示し、妊娠期からの経済的支援の重要性が示唆された。これに関連して父親の仕事役割の状況を綿密に検討する分析も行っている。以上の結果をお茶の水女子大学大学院人間文化研究科論叢および母性衛生において現在印刷中である。
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Research Products
(3 results)