2004 Fiscal Year Annual Research Report
異種視覚手がかりによる対象検出特性と視覚処理の階層性に関する研究
Project/Area Number |
15730331
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小島 治幸 金沢大学, 文学部, 助教授 (40334742)
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Keywords | 視覚 / 視覚神経経路 / 手がかり / 階層性 / 心理物理学 / 傾き / 動き / 奥行き |
Research Abstract |
先行研究において、奥行き対象の単純探索や、奥行きx太さ(大きさ・空間周波数)の結合探索、奥行きx傾き(方位)の結合探索が系列的処理であることが示されてきた。本研究では単眼奥行き刺激の構成要素となる動き(運動)刺激を用いて、両眼奥行き刺激を作成し、結合探索課題における被験者の探索時間を吟味した。 装置と刺激 コンピューター画面上に6個または12個のgabor patchを円環状に配置した。gabor patchは上下左右あるいは右斜め上または下方向に正弦波運動をした。これらのgabor patchには両眼視差を与えることによって、被験者には、その半数が凝視点より交差側(crossed)、残りの半数ば非交差側(uncrossed)の奥行き面に観察されるように提示された。そして、片方の奥行き面のgabor patchはすべて同じ方向に、もう一方の奥行き面のgabor patchはすべて他の方向に運動した。 被験者の課題は、それら2つの奥行き面のいずれかで、もう一方の奥行き面のpatchと同じ方向に動いているpatch (Target)があるかどうかをできるだけ早く判断し、コンピューターキーボードの定められたキーを素早く押すことで報告することであった。反応時間と反応の正誤が記録された。測定には視力の正常な4名が参加した。 結果と考察 ナイーブな被験者では、Target探索の反応時間はセットサイズが6個のときのほうが12個のときよりも長かった。この結果は、視覚探索のTreisman paradigmでは解釈できない。このような結果となった原因として、本研究での探索には、まず運動する対象(gabor patch)を2つの奥行き平面に"体制化"する必要があったことが挙げられる。そして、この体制化処理にはセットサイズの小さいほうがより長い時間を要したものと考えられる。
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