2003 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢者、百寿者を対象とした人の認知機能の維持、低下に関する実験的研究
Project/Area Number |
15730346
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
権藤 恭之 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・痴呆介入研究グループ, 研究員 (40250196)
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Keywords | 百寿者 / 超高齢者 / 認知機能 |
Research Abstract |
百寿者を代表とする85歳以上の超高齢者の認知機能は正常状態から痴呆状態と個人差が大きくまた,全体的に低下しているために1つの尺度で個人差の評価を行うことは困難である.そこで本研究では,超高齢者を対象にした認知機能評定ツールを開発することを目的とし2つの研究を行った.第1の研究では認知機能の低下が著しい者に対応できるよう21項目からなる日常行動の評価尺度を作成した.認知機能低下が著しい者の代表グループとして百寿者を対象に郵送アンケート調査を行い,同居者に評定を求めた.項目反応理論で分析を行った結果,作成したそのうち19項目による推定から,個人の認知機能のレベルを評価できることが確認された.第2に認知機能が比較的保たれている者に対応できるように痴呆のスクリーニング尺度であるPASを実施し評価を行った.その結果,認知機能が比較的保たれている群の認知機能評価に有効であることが確認できた.ただし,記憶を評価する項目に関しては,従来使われている再生法と再認法で得点の分布が異なり,認知レベルの評価を行う場合と痴呆のスクリーニングを行う場合では両者を使い分けることが必要であることが明らかになった.本研究では新たに作成した認知機能尺度とPASを,従来からよく使用されている痴呆のスクリーニングテストであるMMSE組み合わせて評価を行ったが,これら3つのテストを効率的に使用することによって,個人差の大きい超高齢者の認知機能レベルの個人評価が詳細にできるようになると考えられた.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 稲垣宏樹, 権藤恭之: "百寿者のバイオメカニズム-機能的側面とサクセスフル・エイジング-"バイオメカニズム学会誌. 27(1). 18-19 (2003)
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[Publications] Arai, Y., Hirose, N., Yamamura, K., Nakazawa, S., Shimizu, K., Takayama, M., Ebihara, Y., Homma, S., Gondo.Y., Masui.Y., Inagaki, H.: "Deficiency of choresteryl ester transfer protein and gene polymorphisms of lipoprotein lipase and hepatic lipase are not associated with longevity."Journal of Molecular Medicine. 81. 102-109 (2003)
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[Publications] Nishikawa, K., Harada, Y., Fujimori, J., Ebihara, Y., Arai, Y., Takayama, M., Yamamura, K., Nakazawa, S., Hirose, N., Gondo, Y., Inagaki, H., Masui, K., Kitagawa, K.: "Possible model for successful care : burden of caregivers of centenarians."Journal of American Geriatric Society. 51(4). 577-578 (2003)
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[Publications] 権藤恭之: "高齢者を支えるヒント-東京都百寿者研究から-"看護. 55(5). 84-88 (2003)
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[Publications] Kamei, H., Adati, N., Arai, Y., Yamamura, K., Takayama, M., Nakazawa, Ebihara, Y., Gondo, Y., Akechi, M., Noguchi, N., Hirose, N., Sakaki, Y., Kojima: "Association analysis of the SHC1 gene locus with longevity in the Japanese population."Journal of Molecular Medicine. 81(11). 724-728 (2003)
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[Publications] 権藤恭之, 広瀬信義, 増井幸恵: "百寿者研究からわかった長寿者の現状と要因"日本の科学者. 39(2). 10-15 (2004)
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[Publications] 権藤恭之, 広瀬信義, 稲垣宏樹: "痴呆症学(3)"百寿者の認知機能. (2004)