2003 Fiscal Year Annual Research Report
学習者の論理的思考力の育成に向けた理科教員養成プログラムの開発研究
Project/Area Number |
15730395
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
平野 俊英 島根大学, 教育学部, 講師 (70325033)
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Keywords | 理科教員養成 / 論理的思考力 / 教育プログラム開発 / 反省的実践家 / 納得にいたる理解 / 学習者理解 / 教科教育方法 / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究は、学校理科教育での学力形成に関わる現状を踏まえ、理科授業において学習者が概念的理解の論理一貫性を築くために必要な科学的思考、特に論理的思考力のさらなる育成を目指して、彼らの指導者となる理科教員の資質・力量を高めるための教員養成プログラムのあり方について検討することを目的とする。具体的には、次の2点を明らかにする。 (1)小学校理科における物理系領域の授業を題材に、そこでの児童・生徒の探究過程を各種記録等から浮き彫りにして、思考の論理性を吟味する。また、教員養成課程所属学生に対して同様に思考の論理性を吟味したうえで、両者の類似点・差異点を明らかにする。 (2)(1)を踏まえて、教員養成課程所属学生の実践的指導力の育成のため、児童・生徒の論理的思考力の育成に向けた教授支援方略を検討するとともに、その関連技法の修得のために有効となる教員養成プログラム教材のあり方について、臨床的な試行を通じて検討を加える。 上述の目的に従い、本年度は次のように研究を推進した。(1)に関しては、島根大学教育学部附属小学校を協力校に設定し、担任教員との討議を重ねて授業立案を行った後、第4学年電気回路単元の全授業における児童・生徒の探究過程を(a)ビデオカメラや音声レコーダーによるAVデジタル記録、(b)授業観察者や学習者の筆記録、の両形式で記録に収めた。現在、記録データをPC等で多面的に分析し、学習者の概念理解と思考の論理性を吟味しているところである。また、島根大学教育学部理科教育選修に所属する第2学年の学生に対して、講義において類似した電気回路課題を提示した実験を導入することで、彼らの探究過程を筆記録で収め、分析を行うことで思考の論理性を吟味した。(2)に関しては、(1)で被験者となった学生に対して、実験の後に同じく被験者の小学校児童の探究過程を記録した授業VTRの提示を試み、これによる効果がどの程度得られるかを吟味した。得られた知見をもとに、次年度はプログラムの作成と試行を行う。
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