2003 Fiscal Year Annual Research Report
教育・発達相談の現場的知・技の構造解析に基づく相談員オンラインサポートシステム
Project/Area Number |
15730403
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊井 正之 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 助教授 (60344644)
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Keywords | 現場的知 / 症状・状態像 / 縦断的変化 / 類型化 / 学習システム / オンライン / オフライン / 連携 |
Research Abstract |
1.専門知職、現場的知・技の可視化・集約体系化の研究、及び学習システム開発研究 1)発達相談に際して要求される専門知識、現場的知・技のうち、発達上の問題の判断基準ともなる「標準的な発達」に関する専門知識・現場的知の整理・構造化を始めた。 2)経験の浅い専門職員が上記の専門知識を習得する過程で用いる学習システムのプロトタイプの開発を開始した。学習のためのデータ構造とその可視化のためのフレームがほぼできたため、今後は学習者がリアリティある情報として受け取れるようにするための動画データ等の収集・整理が課題である。 3)発達相談に際して要求される専門知識、現場的知・技のうち、障害に関連する症状・状態像の縦断的変化に関する専門知識の整理・構造化を始めた。この部分のデータの可視化には、2)で開発したフレームをカスタマイズして用いる予定であるが、職員の学習システムとするためにはケースの類型化を可能にする十分な量の縦断的データが必要であり、その収集・整理が今後の課題とされた。 2.オンラインカウンセリングシステムの研究開発 1)オンラインでの発達相談の有効性と限界、及び有効な相談・支援実施のための条件を検討するため、オンラインでの発達相談を試行した。また、オンラインでのピアカウンセリングを可能にするシステムを開発し、その試験運用を開始した。 2)オンラインでの発達相談では、a)障害の遺伝に関する一般的知識の提供など、CMCでの対応が可能・効率的な内容だけでなく、b)障害の有無、種類、程度等の評価・診断を求めているなど、実際の子どもの状態を診ることなくオンラインのみで対応できない内容も少なくなく、オフラインでの対面相談との連携の必要性が明らかとなった。また相談を継続することにより、主訴が「子どもの発達に関する問題」から「養育者の心の問題」や「家族の問題」などに変化する場合もあり、オンラインで提供するカウンセリング関連情報に養育者の精神衛生などに関する内容を盛り込む必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)