2003 Fiscal Year Annual Research Report
次数2のジーゲル保型形式に対するフーリエ・ヤコビ展開の定式化の研究
Project/Area Number |
15740017
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
平野 幹 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80314946)
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Keywords | フーリエ・ヤコビ型球関数 / フーリエ・ヤコビ展開 / 保型L-関数 / ジーゲル保型形式 |
Research Abstract |
今年度は、次数2のジーグル保型形式に対するフーリエ・ヤコビ展開の定式化の予備研究として、関連する一般化球関数およびこれに類似した球関数に対する研究を行った。具体的には次数3の実シンプレクティック群G=Sp(3,R)の第2ヤコビ型放物部分群から誘導された主系列表現に対するホイッタカー模型を扱いこれが満たす微分方程式系を決定した。 フーリエ・ヤコビ展開の定式化に必要である特殊関数はフーリエ・ヤコビ型球関数と呼ばれる一般球関数である。これまでの研究でこの球関数の明示公式をほとんどの許容表現に対して決定してきたが、重要な許容表現のひとつであるジーゲル放物部分群から誘導された主系列表現の場合が依然残されており、フーリエ・ヤコビ型球関数の理論は未完である。この残された場合の明示公式を得ることは非常に複雑であり、今年度の類似研究はその予備研究として意義がある。今年度は、これまでのフーリエ・ヤコビ型球関数の研究方法をさらに発展させ、Gの包絡環の中心の元を次数一般の形で組織的に構成し、ホイッタカー模型が満たすべき微分方程式系を具体的に書き下した。しかし、この微分方程式系は複雑でありこの解のよい表示を求めることは今後の課題である。なお、この類似研究には前年度の研究成果であるgl(3)の有限次表現とスタンダード表現とのテンソル積の既約表現への分解のゲルファント・ツェルヴェンスキー基底を用いた表示を援用している。
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Research Products
(1 results)