2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740022
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
伊山 修 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 講師 (70347532)
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Keywords | Auslander-Reiten理論 / 概分裂完全列 / Auslander対応 / Fomin-Zelenvinsky mutation / 極大直交部分圏 / Bondal-Orlov予想 / 非可換crepant解消 / 表現次元 |
Research Abstract |
今年度は、従来蓄積してきた結果を踏まえた上で、Auslader-Reiten理論の高次元化に向けて研究を開始した。多元環の表現論において、Auslander-Reiten理論が重要な役割を果たす事はよく知られている。Auslander-Reiten理論における主要な結果として、Auslander対応定理、概分裂完全列の存在定理、2次元単純特異点の有限表現型として特徴付けの3つが挙げられるが、これらはいずれも2次元的な定理であると言え、Auslander-Reiten理論の高次元化を模索する事は、表現論や非可換代数幾何学の観点からみても自然な事であると言える。我々は、以前の表現次元の研究から得られた極大直交部分圏の概念を導入する事により、自然にAuslander-Reiten理論の高次元版とみなされる理論が展開できる事を示した。具体的には、高次元Auslander対応定理、高次元概分裂完全列の存在定理を示し、またSL(3,k)の有限部分群の不変式環は自然な極大直交部分圏を持つことを示した。極大直交部分圏は、特別な場合にVan den Berghによる特異点の非可換crepant解消の概念と同等である事を示し、特に代数幾何学におけるBondal-Orlov予想のVan den Berghによる非可換版が、3次元以下において成立する事を示した。また、Fomin-Zelevinsky mutationの圏論的定式化が極大直交部分圏の考察により得られるが、そのtransitivity予想は、Bondal-Orlov予想とも関連した興味深いものである。また近年盛んな、McKay対応の高次元化との関連は、今後の興味深い研究課題であると思われる。
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Research Products
(10 results)