2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740023
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
都地 崇恵 東海大学, 理学部, 講師 (30349328)
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Keywords | 岩澤理論 / 類数公式 |
Research Abstract |
平成15年度の研究においてGreenberg, Gillardによって証明されている実アーベル体の類数公式の拡張を行った。それは固定した奇素数pと各自然数nに対し、実アーベル体K上の円分Zp拡大におけるn番目の中間体のイデアル類群のp部分と単数群の円単数群による剰余群のp部分をKの有理数体上のガロワ群GのZp上の群環Zp[G]上の加群と考え、その二つの加群のGの指標χによるχ部分の位数の関係を明示したというものであった。ちなみにGreenberg、GillardはKの有理数体上の拡大次数がpで割り切れない場合を扱っており、この研究ではそれを一般の場合に拡張したものであった。これを証明する際、Kの円分Zp拡大体におけるp上の素イデアルの局所単数群の積の円単数群による剰余群U/CのZp[G]加群としての構造の考察が必要であった。今年度の研究では加群U/Cをより一層詳しく調べることによって、U/CとKの円分Zp拡大体上のpの外で不分岐な最大アーベル拡大体のガロワ群Xとのある関係を明らかにすることができた。それはK'をKに含まれる代数体でK/K'がp次巡回拡大体となるものとしたとき、K'上Kのガロワ群ΔのZp上の群環Zp[Δ]上の加群としてU/CとXが同型となるというものである。岩澤主予想(Mazur-Wilesの定理)によって両者のK上の円分Zp拡大体のガロワ加群としての関係はほぼ明らかにすることができるのであるが、今回示したようにZp[Δ]加群として同型になることは導かれない。
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