2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足助 太郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30294515)
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Keywords | 葉層構造 / 複素構造 / 特性類 / 二木不変量 |
Research Abstract |
Bott類は横断的に複素解析的な葉層構造に対して定義される不変量であるが、一般にはC/Z係数のコホモロジーの元として定義されるため必ずしも簡単には扱えない。研究代表者のこれまでの研究で、Bott類がC係数のコホモロジーの元として定まる場合には留数と局所化と呼ばれる概念が定義され、葉層のJulia集合と密接に関連することが分かっていた。本年度はまずこの結果を論文'Localization and Residue of the Bott class'として雑誌'Topology'に発表した後、更に研究を進め、Bott類が(C/Z係数のコホモロジーの元として定まる一般の場合についても留数を拡張し、この場合にもやはり上述のものと類似の結果が成り立つことを示した。また、この一般化された留数の応用として、複素多様体に対する二木不変量の新しい初等的な計算方法を与えた。これらの知見は論文'Residues of the Bott class and an application to the Futaki invariant'として雑誌'Asian Journal of Mathematics'に発表したほか、2003年9月に龍谷大学で行われた国際研究集会'Geometry and Foliations 2003'において講演を行った。この研究の過程で「C/Z係数の微分形式の理論」と呼ぶべき理論が得られた。これはDeligneコホモロジーやGerbeといった概念と関連が非常に深く、応用も含め独立に興味があるものと考えられる。これについてはこれからの研究課題である。本年度はこのほかに横断的に複素解析的な葉層構造の具体的な構成について研究を行い、擬等角変形と呼ばれる操作を用いた構成について一定の構想を得た。これについては来年度以降速やかに発表する予定である。
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[Publications] Taro Asuke: "Localization and Residue of the Bott class"Topology. 43. 289-317 (2004)
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[Publications] Taro Asuke: "Residues of the Bott class an application to the Futaki invariant"Asian Journal of Mathematics. 7・2. 239-268 (2003)