2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740036
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
足助 太郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (30294515)
|
Keywords | 葉層構造 / 特性類 / 複素構造 / 擬等角変形 / 無限小変形 |
Research Abstract |
横断的に複素解析的な葉層構造は力学系的性質を制御することが難しく,例えばあらかじめ与えられた性質を持つような例を構成することや,あるいは与えられた2つ以上の例から新しい例を構成することは一般には不可能である.このことは研究の大きな制約となっているため,今年度はこの問題について考察し,複素余次元が1の場合に自然な条件の下で擬等角変形と呼ばれる手段を用いて与えられた葉層構造に新たに横断的な複素構造を与えることができることを示した.特に,自然な条件の下では与えられた2つ以上の複素余次元1の葉層構造の「切り貼り」ができることが示された.また,Bott類と呼ばれる横断的に複素解析的な葉層構造の複素二次特性類は横断的な擬等角変形に伴って連続的に変形することを示し,更にこのことを用いてBott類は横断的に擬等角な同相写像では不変ではないことを示した.これらの結果については京都大学数理解析研究所における研究集会「複素微分方程式の幾何学的研究」等で口頭発表を行ったほか,日本数学会の論文誌に論文を発表した. そのほか,横断的に複素解析的な葉層構造の複素二次特性類の無限小変形や,Godbillon-Vey類と呼ばれる実二次特性類が非自明になる例の構成について新たな知見を得たため発表準備中である.複素二次特性類のうち,Bott類の無限小変形については更に研究を進め,微分幾何的に既に知られていた重要な不変量との関連が一部明らかになったため,これについても発表の準備を進めている.
|