2004 Fiscal Year Annual Research Report
モノポール方程式を中心とする非線形方程式の多様体の幾何学への応用に関する研究
Project/Area Number |
15740046
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
石田 政司 上智大学, 理工学部, 助手 (50349023)
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Keywords | アインシュタイン計量 / 自己双対計量 / 概正則曲線 / 山辺不変量 / モノポール方程式 / 4次元実双曲多様対 |
Research Abstract |
本研究の目的は、主にモノポール方程式と呼ばれる非線形偏微分方程式の解の性質を解析することによって3、4次元多様体の微分幾何、位相幾何に関する研究を進める事である。この目的に沿って本年度は、昨年度に行った研究を更に深化させるべく研究を行った。現在までに、4次元多様体に対してモノポール方程式の解の空間を使って、所謂、サイバーグ-ウイッテン不変量を含む異なる3つの有効な微分同相不変量が構成できることが知られている。ここで注意しておくと、サイバーグ-ウイッテン不変量は消滅するが、他の2つの不変量は消滅しない4次元多様体が豊富に存在することが判明している。さて4次元多様体の幾何への応用を考える際に、これらの不変量がいつ消滅するのか、を調べることは基本的な問題である。実際、この方向の一つの基本的な予想として、クロード ルブラン氏による次の予想がある"4次元実双曲多様体のサイバーグ-ウイッテン不変量は消滅する"本年度は主にこの予想を一つの軸として研究に取り組んだ。この予想には昨年度も取り組んだのであるが、昨年度に得られた結果よりも僅かであるがより一般的な結果を得ることができた。得られた結果からこの予想は、サイバーグ-ウイッテン不変量の消滅定理としてではなく、他の2つの不変量をも含む3つの不変量の消滅定理として定式化したほうがより自然なこと、及び実際にこれらの不変量が消滅する4次元実双曲多様体の例が存在することを突き止めた。このような例は以前には全く知られていなかったことを強調しておきたい。これらの成果の前半はすでに論文としてまとめてあり、学術雑誌に近日投稿予定である。後半は現在執筆中である。またこれらの研究に関連する研究に対して、研究代表者は2004年度日本数学会賞建部賢弘賞特別賞を受賞したことを報告しておく。
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Research Products
(2 results)