2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 史彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10291246)
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Keywords | 準周期ポテンシャル / ハバードモデル / アンダーソン局在 |
Research Abstract |
準周期ポテンシャルを持つ1次元シュレーディンガー方程式について、その久保伝導度の評価のために必要となる、一般化固有関数の漸近挙動を調べた。レイモンド氏のプレプリントの結果を応用することにより、どの場合にその上極限が発散し、下極限が0になるかを調べた。この2つが同時に起こるような状況も実現できる。さらにポテンシャルのカップリング係数を大きくしたときのスペクトルの挙動について、前年度に得られていた結果をより拡張して精密に調べることができた。 また、1次元ハバードモデルにおいて、粒子数が奇数の時にその基底エネルギーを最小にする磁場(optimal flux)の値を求めた。粒子数が偶数のときにはすでに3年前に結果を得ているが、その場合とは異なり、粒子数が奇数の時には、potential disorderがoptimal fluxを変えることがあること、また有限温度ではOptimal fluxが異なることをも示した。 さらに、optimal fluxと基底状態のスピンとの関係を調べ、特別な場合に基底状態のスピンがfluxに依存して大きく変わること、基底状態のスピンについての情報から対応する1体ハミルトニアンの固有値の和についての評価が得られることを発見した。 さらに、高次元格子において一様分布に従うランダムなベクトルポテンシャルを持つシュレーディンガー方程式を考え、そのスペクトルの端において、アンダーソン局在が現れることを示した。このためにはWegner estimateと呼ばれる評価を得ることが本質的であるが、これを格子上のループを持たない経路の数を数える問題に帰着し、このような経路の評価を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kaminaga, Nakano: "The Landauer resistiuity on Quantum wires"Journal of Statistical Physics. 111. 339-353 (2003)
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[Publications] Nakano, Nomura: "Random magnetic fields on line graphs"Journal of Mathematical Physics. 44. 4988-5002 (2003)
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[Publications] Klopp, Nakamura, Nakano, Nomura: "Anderson localization 2D discrete Schrodinger operators with random magnetic fields"Annales Henri Poricare. 4. 795-811 (2003)
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[Publications] Nakano: "Spin of the ground state and the flux phase problem on the ring"Journal of Physics A. (掲載予定).