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2003 Fiscal Year Annual Research Report

巡回セールスマン問題の多項式時間で解けるクラスへの計算幾何学からの取り組み

Research Project

Project/Area Number 15740062
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

小田 芳彰  慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (90325043)

Keywords離散数学 / 組合せ論 / アルゴリズム / 計算幾何学 / 計算量理論 / 巡回セールスマン問題
Research Abstract

巡回セールスマン問題(以下TSP)はNP困難のクラスに属し、都市数が増えたとき実用的な時間(多項式時間)で最短経路(最適解)を求めるのは不可能と予想される組合せ最適化問題の代表例になっている。そこで、実社会での応用の観点から、実用的な時間で近似解を求める研究がさかんに行われてきた。その一方、理論的な観点からは、どのような性質があればTSPの最適解が多項式時間で得られるかについて研究されてきた。本研究では代表者がこれまでTSPとは独立に取り組んできたボロノイ図やデローネ三角形分割などのようにユークリッド距離を考慮した性質を持つ計算幾何学の観点からTSPの多項式時間で解けるクラスについて考える。
まず、今年度、Monge propertyとよばれる性質を緩和した条件を仮定することにより、TSPが多項式時間で解けることを示すことができた。この結果については3月にイギリスで開催された国際会議CO2004にて発表を行った。さらに、論文としてまとめ、国際雑誌に投稿中である。この条件の幾何的性質についてはあまりよくわかっていないが、対称性があることからこの性質について考察することは興味深いと考えられる。
また、計算幾何学の分野では、ボロノイ図に関する成果を得た。平面上に配置された母点に対するボロノイ図を描画するとき、広範囲の領域ではなく、注目すべき部分領域のみ得られればよいことが少なくない。昨年度までに指定した長方形領域に母点が1点あるいは2点の場合、その領域に正確なボロノイ図を描画するのに考慮すべき母点の最適な領域が煩雑な証明により決定できていた。今年度はこの別証を考えることにより、この一般化として、指定領域内に母点がn点の場合の最適な領域についても決定することができた。このような計算幾何学の性質を具体的にTSPの多項式時間で解けるクラスに適用する手法については今後の課題である。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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