2004 Fiscal Year Annual Research Report
相互作用をもつ非有界スピン系の確率論的方法による研究
Project/Area Number |
15740070
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
杉浦 誠 琉球大学, 理学部, 助教授 (70252228)
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Keywords | 連続場模型 / 確率偏微分方程式 / 対数ソボレフ不等式 / マルチンゲール法 |
Research Abstract |
上記課題に関する2つの研究を主に行った。 ひとつは、昨年度に引き続きGinzburg-Landau型のハミルトニアンに関する偏微分方程式を柱状ブラウン運動で摂動することによって得られる確率偏微分方程式の解として形式的に記述される確率過程を対象として、その確率過程の時間発展における平衡状態への接近の様子を解明を目標とする研究を行なった。特にその生成作用素に関する無限系でのスペクトル・ギャップの存在、対数ソボレフ不等式の成立の証明を行なった。 スペクトル・ギャップや対数ソボレフ不等式の研究を、確率偏微分方程式やマリアヴァン解析などの分野でみると現状ではBakry-Emery Γ_<2->評価法によるものしか存在しないといえる。我々の扱った連続場模型は確率偏微分方程式で表現される確率過程であり、Γ_<2->評価法では決して証明できない結果であり、その証明には様々な新しい手法およびそれによって導かれる評価式を含んでいるためその分野における先駆的結果となると予測している。 この研究成果は2004年9月北京での国際研究集会にて発表した。現在これらの研究成果を論文にまとめている最中で、論文としての研究発表はまだないことを報告する。 もうひとつは、研究課題の低温極限の場合に相当する研究である。これは東京大学大学院数理科学研究科の舟木教授と共同で研究を行っている。これはかつて舟木教授が保存量がない場合に行った研究を保存量にある場合に拡張しようという研究である。この研究はまだ進行中であるため実績とは呼べないものかもしれないが、現状報告のためここに記した。
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