2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740076
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (90251610)
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Keywords | 反応拡散方程式 / パターン形成 / 爆発問題 / 進行波解 |
Research Abstract |
反応拡散近似の研究を用いて,バクテリアコロニーモデルとして提出されている2つのモデル方程式の関係を調べた.本年度は,非線形拡散を用いたモデル方程式の空間2次元における特異極限問題を考え,現在論文を執筆中である.この方法により,バクテリアの運動の数学的理解が深まると期待される. 一方,パターンの理解・解析のためには,さまざまな基本的形状の集まりという考え方も必要である.アレン・カーン方程式のV字進行波解の研究を進めている.本年度は,優解と劣解を構成することによりV字進行波解の存在や漸近安定性について調べている.谷口と共著論文を書き上げ,出版予定となっている.また,新しい劣解を構成することにより,大域漸近安定性についても証明に成功した.また,異方性の入ったモデルに関する進行波解の構成およびその特異極限問題としてクリスタライン運動との関係も調べた.現在,論文を書き上げ,投稿予定である.また,異方性の入ったモデル方程式の自己相似的な解の構成やこれらの様々な解を用いて2次元界面の衝突現象の証明も行った. また,単独半線形熱方程式において,拡散項がないと爆発するにも関わらず,ディリクレ境界条件つきの拡散項を加えることにより,爆発が起きず,すべての解が有界にとどまることを示した.これは,拡散という線形項の影響で,爆発が食い止められる結果の一つである.これらの計算は,すでに論文にまとめ,掲載予定になっている.
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Research Products
(3 results)