2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740096
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
小野 太幹 福山大学, 人間文化学部, 講師 (60289270)
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Keywords | 測度付き非線形偏微分方程式 / ポテンシャル論 / ヘルダー連続性 / 距離空間 |
Research Abstract |
(A,B)-優調和関数の性質,および右辺に正のラドン測度fを含む方程式 -div A(x,grad u(x))+B(x,u(x))=f・・・(E) の解と(AB)-優調和関数との関係について平成15年度に行った研究をまとめた.一方,fを符号付ラドン測度としたときの,方程式(E)の解のヘルダー連続性について調べた.方程式(E)において,B=0かつfが正のラドン測度の場合,fがある条件をみたすとき,方程式(E)の解のヘルダー連続指数を具体的に決定できることはT.Kilpelainen, X.Zhongによって示されていた.これを,方程式(E)およびfが符号付ラドン測度の場合に一般化することができた.この結果および15年度の研究成果をポーランドで行われた研究集会「Analysis on Metric Measure Spaces」,島根で行われた国際会議「IWPT2004 in Shimane」,ケンタッキー大学のPDEセミナー,シンシナティ大学のコロキアムなどで報告した.また,シンシナティ大学Nages Shanmugalingam氏と測度付き距離空間上で方程式 -div A(x,grad u(x))+B(x,u(x))=0 に対応する変分式を考え,その解についてのポテンシャル論的性質,特に,解の存在,一意性,ヘルダー連続性,ハルナックの不等式などについて議論した.また,測度付き距離空間上の非有界領域のPerron-Wiener-Brelot法によるDirichlet問題の可解性ついても議論した.これらの測度付き距離空間上の研究については,来年度引き続きNages Shanmugalingam氏と継続して議論する.
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