2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂井 秀隆 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50323465)
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Keywords | パンルヴェ方程式 / 差分方程式 / 特殊関数 / 超幾何関数 |
Research Abstract |
2005年に出版された論文は3本で,これらはいずれも前年度までに得られた結果である.他に3型パンルヴェ方程式に関してその特殊型を扱った論文(大山,川向,岡本,各氏との共同研究)を投稿中である. 今年度新しく行った研究としては,A_2^<(1)>型のq-差分パンルヴェ方程式のラックス形式の計算がある.モノドロミー保存変形のq-差分類似については1996年の神保氏と筆者の結果があり,また最近筆者による高次元化も行われた.ところが一方で,有理曲面論から見られたq-パンルヴェ方程式のうち,A_0^<(1)*>,A_1^<(1)>,A_2^<(1)>の各方程式は,そのままの形ではこれらの一般的な理論には現れない.これは微分方程式の場合と状況が異なる. これに対して,今回の結果では2次元的であるq-Painleve方程式が,A_2^<(1)>型の場合には4次元のq-Garnier系の特殊ケースとして現れることを示し,同時にそのLax pairを計算することができた. この結果についてはすでに,神戸大学における研究集会において発表しており,近々論文誌にも投稿できる予定である. 研究計画作成当初企図していたような新しく大きな理論へ向けてのブレーク・スルーには到らなかったかもしれないが,代わりに可積分な差分系の理論においては,特に,線形方程式の変形理論という部分で,多くの進展を得ることができた.
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Research Products
(3 results)