2005 Fiscal Year Annual Research Report
Allen-Cahn方程式におけるV字型進行曲面波
Project/Area Number |
15740102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 雅治 東京工業大学, 大学院・情報工学研究科, 助教授 (30260623)
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Keywords | stability / traveling wave / Allen-Cahn equation / multi-dimensional wave |
Research Abstract |
Allen-Cahn方程式を含む相安定な反応拡散方程式において,V字型進行曲面波の存在をしめし,その(局所)安定性を証明するという目的はH.Ninomiya and M.Taniguchi(J.Difrerential Equations,213,No 1005),204-233)において達成されたことを報告する. この研究の過程において新たな課題が発生した.以下の課題である. (1)1次元進行波をもつ双安定な非線形項はどのようなものがあるか? (2)V字型進行曲面波の安定性は空間大域的であるか? Allen-Cahn方程式にあらわれる非線形項は3次式であるが,双安定な非線形項はこれに限られない.しかしながら1次元進行波をもたない双安定な非線形項も知られている.課題(1)および(2)にたいする部分的な回答を,Ninomiya and Taniguchi(Discrete and Continuous Dynamical Systems,掲載受理)において行った.1次元進行波をもつ双安定な非線形項の例を出し,その場合の進行波の具体的な表現式を与えた.Allen-Cahn方程式および,それらのより一般の非線形項をもつ反応拡散方程式において,初期擾乱が無限遠方で減衰するならば,V字型進行曲面波が漸近安定であることを証明した. 無限遠方で減衰しない初期摂動にたいして,V字型進行曲面波の漸近安定性は,未解決の課題である.Allen-Cahn方程式でなく,ある意味でその極限形と考えられる曲率流方程式において,Nara and Taniguchi(Discrete and Continuous Dynamical Systems,掲載受理)により,直線およびV字型進行曲面波が漸近安定となる十分条件を与えた.また,漸近安定とならない有界な初期擾乱の例も与えた. 以上を報告する.
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Research Products
(4 results)