2004 Fiscal Year Annual Research Report
(離散)パンルヴェ方程式および自己双対方程式の特殊解と対称性
Project/Area Number |
15740104
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
増田 哲 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (00335457)
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Keywords | パンルヴェ方程式 / 離散パンルヴェ方程式 / 代数函数解 / アフィンワイル群対称性 / 普遍指標多項式 / 楕円超幾何函数 / タウ函数 |
Research Abstract |
代表的な高次元可積分系である自己双対Yang-Mills方程式から,適当な簡約化によりKP階層に属する様々な可積分方程式が導出されることは以前から知られており,とりわけMason, Woodhouseがツイスター理論による統一的な記述を行って以降,これらの関連を解空間のレベルで具体的に論じる端緒が切り開かれた.実際,Painleve方程式に関していえば,Riccati解や有理解の一部に対応する自己双対接続が,村田により具体的に計算されている. こうした状況を踏まえ,今年度は,Painleve方程式および離散Painleve方程式の特殊解についての研究を引き続き推し進める一方で,自己双対Yang-Mills方程式の特殊解とPainleve方程式の超幾何函数解との対応を詳しく調べた. 具体的には,P_VおよびP_<VI>の超幾何函数解の行列式表示を構成し,この行列式構造を保ったまま退化図式が成り立つことを示した.これにより,Painleve方程式の超幾何函数解については,それらの具体的表示が出揃ったことになる.また,すべてのq-差分Painleve方程式に対してそれらのRiccati解を幾何的手法により構成し,どのようなq-超幾何函数が現れるかを同定した.例えばE_8^(1),E_7^(1),E_6^(1)型方程式のRiccati解として,おのおのq-超幾何函数_<10>W_9,_8W_7,_3φ_2が現れる.以上の結果は学術論文に発表されている. さらに学術論文としては未発表であるが,P_(IV)の超幾何函数解が,Corriganらにより構成された自己双対Yang-Mills方程式の行列式解の特殊化として得られることも明らかにできた.
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Research Products
(2 results)