2004 Fiscal Year Annual Research Report
特異ポテンシャルにおけるハミルトン系に対する変分的研究
Project/Area Number |
15740112
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
足達 慎二 静岡大学, 工学部, 助教授 (40339685)
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Keywords | 変分法 / ハミルトン系 / deformation flow |
Research Abstract |
前年度より研究中であるweak force条件下での特異ハミルトン系について,エネルギー保存量が正の周期軌道存在問題に対する現在までの成果を論文にまとめ,Topological Methods in Nonlinear Analysisに投稿しacceptを得た.周期軌道存在証明の基盤となるのは修正汎関数のcritical valueに対する下からの一様評価であり,この評価式は特異点が体積を持つ場合における特異ハミルトン系の研究の第一歩となった.また,この評価式や評価式の導出方法はエネルギー保存量が負の場合における周期軌道存在及び非存在問題に適用できると思われる.論文にまとめた後,エネルギー保存量が負で絶対値が大きな場合における周期軌道非存在についてはより一般的な特異点領域に対して示すことができ,研究は進捗している.一方,エネルギー保存量が負で絶対値が小さな場合における周期軌道存在問題については未だ解明が不十分であり,今後の研究課題である.またエネルギー保存量が正の場合における周期軌道に対して,特異点集合のmeasureを0に近づけたときの漸近挙動については,特異点領域が球の場合はその対称性を利用して特異点と衝突を起こすことを示すことができるが,より一般的な特異点集合に対しては次年度に継続して研究を行いたい. 今年度7月にアメリカのオーランドで開催された国際研究集会World Congress of Nonlinear Analysts 2004において,特異ハミルトン系の周期軌道存在問題についての講演を行った.その研究集会においてリサーチフロントに立つ多くの研究者と有意義なディスカッションができ,研究に役立てることができたことを付記する.
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Research Products
(2 results)