2003 Fiscal Year Annual Research Report
広視野観測によって明かす宇宙の階層的構造形成史と星形成史
Project/Area Number |
15740126
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
児玉 忠恭 国立天文台, 理論天文学研究系, 助手 (80343101)
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Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 / 宇宙大規模構造 / 銀河団 |
Research Abstract |
本人は、我が国のすばる望遠鏡のユニークな特長である、広視野カメラを利用して、遠方宇宙の観測を系統的に行い、宇宙の構造とそれを構成する銀河の特性を、時間と環境との関数として詳細に比較することによって、宇宙が誕生してから今日の階層的銀河宇宙が形成されてくるまでの過程(特に構造形成と銀河進化)を実証的に明らかにすることを目標としている。 本年は、まず4月と9月に計3晩のすばる観測を実行し、3つの遠方銀河団について撮像データを取得した。そしてこのデータの整約および解析を集中的に行ない、既に2つの銀河団について、その周辺領域に広がる10Mpc規模の銀河団大規模構造の検出に成功した。これによって、銀河団がより小さなシステム(銀河群)から階層的に形成されてくる様子をあからさまに描き出すことができた。次に、これら銀河団の大規模構造に沿って、銀河の特性、特に星形成率がどのように変化するかを調べた。その結果、銀河団本体からずっと離れた銀河群規模の構造の中で銀河の星形成率に大きな変化が見られることを発見した。今日の銀河特性は環境に大きく依存していることがよく知られているが、この結果はその環境依存性の起源を理解する上で貴重なものであり、すばる望遠鏡の威力を知らしめる結果であるといえよう。これらの初期成果は本年度の国内外の学会で広く報告し、高い評価を受けた。 また、英国ダーラム大学を訪問し、昨年度にすばるで取得した銀河団の撮像データの解析をバロー氏と一緒に行った。その結果、高い星形成率を示すサブ銀河群を発見し、銀河の星形成率が減衰する前に活発な星形成段階があることを示唆した。 さらに、SXDSと呼ばれる、すばるの広視野深撮像データを用いて、遠方銀河特性の質量依存性を調べた。その結果、銀河形成が大きいものから小さいものへとダウンサイジング的に起こることを示し、その逆を予測する、現在の銀河形成モデルに対して警鐘を鳴らした。この結果は、国際会議で発表するとともに、論文にもまとめて発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kodama, T., Bower, R.G.: "The Ks-band Luminosity and Stellar Mass Functions of Galaxies in z〜1 Clusters"Monthly Notices of the Royal Astronomical Society. 346. 1-12 (2003)
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[Publications] Bundy, K., Fukugita, M., Ellis, R.S., Kodama, T., Conselice, C.J.: "A Slow Merger History of Field Galaxies since z〜1"Astrophysical Journal Letters. 未定. (2004)
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[Publications] Miyazaki, S., Shimasaku, K., Kodama, T., et al.: "Evolution of Elliptical Galaxies at z>1 Resolved from a Large, Multicolor Sample of Extremely Red Objects"Publication of Astronomical Society of Japan. 55. 1079-1103 (2003)
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[Publications] Kodama, T., et al.: "Down-Sizing in Galaxy Formation at z〜1 in the Subaru/XMM-Newton Deep Survey (SXDS)"Monthly Notices of the Royal Astronomical Society. 未定. (2004)
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[Publications] Iye, S, et al.: "ERO R1 in the Field of CL 0939+4713 : Evidence for an S0-like Galaxy at z〜1.5"Astrophysical Journal. 590. 770-777 (2003)
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[Publications] Kodaira, K., et al.: "The Discovery of Two Lyman-alpha Emitters beyond Redshift 6 in the Subaru Deep Field"Publication of Astronomical Society of Japan Letters. 55. 17-21 (2003)