2003 Fiscal Year Annual Research Report
曲がった時空上の超弦理論とホログラフィック・デュアリティー
Project/Area Number |
15740138
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 祐二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70291333)
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Keywords | 超弦理論 / 超対称性 / 共形場理論 / ホログラフィック双対性 / D-brane |
Research Abstract |
超対称な、あるいは超対称性が破れたnon-compactな曲がった背景上の超弦理論は、ホログラフィック双対性等の多くの重要性を持ちながら、未だ世界面上のアプローチでは多くの未解決問題を有しており、本研究課題の中心テーマに据えられている。本年度、私は次の3つのテーマについて研究を行った。(1)N=1,N=2超対称ゲージ理論のArgyres-Douglasポイントの非摂動論的解析。(2)時間に依存して崩壊または生成されるD-brane(S-brane")に関する熱力学的考察。(3)N=2超対称Liouville理論におけるD-braneの厳密な構成。 第1のテーマについては、近年発展した、一般化されたKonishi Anomaly方程式を用いた超対称ゲージ理論の非摂動論的解析の手法を用いて、Argyres-DouglasポイントのN=1への拡張を論じた。この手法は、Seiberg-Witten理論の自然な拡張と位置づけられ、4次元超対称ゲージ理論の相構造を探る強力な枠組みを与える。N=1、N=2のArgyres-Douglasポイントの近傍の相構造、スケーリング則などを解析し、また超弦理論での解釈に関して議論を行った。 第2のテーマについては、S-brane背景の有限温度系の自由エネルギーの解析を行った。この系は、初期状態がどんなに低温であっても、十分に時間が経遅した後には、高温での弦理論に特有なHagedorn的ふるまいを示し、紫外領域の不安定性が生ずると予想されており、私の自由エネルギーの解析はその予想を裏付ける結果を与えた。 第3のテーマでは、N=2超対称Liouville理論のD-braneについて、境界付き共形場理論の手法での解析を行った。Modular bootstrapと呼ばれる手法を用いて、N=2 Liouville理論のD-braneを記述する厳密な境界状態を初めて決定することに成功した。この成果により、現在もなおchallengingなテーマであるnon-compactな曲がった背景上のD-braneの厳密な記述に関して、大きな進展が期待されることとなった。このテーマについては、本研究課題の期間中、引き続き詳細な研究を遂行したいと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Eguchi, Y.Sugawara, S.Yamaguchi: "Supercoset CFTs for string theories on non-compact special holonomy manifolds"Nuclear Physics. B657. 3-52 (2003)
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[Publications] Y.Sugawara: "Thermal partition function of superstring on compactified pp-wave"Nuclear Physics. B661. 191-208 (2003)
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[Publications] T.Eguchi, Y.Sugawara: "Branches of N=1 vacua and Argyres-Douglas points"Journal of High Energy Physics. 0305. 063 (2003)
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[Publications] Y.Sugawara: "Thermal partition functions for S-branes"Journal of High Energy Physics. 0308. 008 (2003)
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[Publications] T.Eguchi, Y.Sugawara: "Modular bootstrap for boundary N=2 Liouville theory"Journal of High Energy Physics. 0401. 025 (2004)