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2005 Fiscal Year Annual Research Report

弦理論の双対性を用いたゲージ理論の非摂動論的性質の解析

Research Project

Project/Area Number 15740140
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

今村 洋介  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80323492)

Keywordsゲージ・重力対応 / QCD / バリオン頂点 / Dブレーン / 境界状態
Research Abstract

今年度は大きく分けて3つの研究を行った。まず一つ目は、ゲージ・重力対応を用いたQCD弦のジャンクションについての研究である。クォークの間に働く強い相互作用には閉じ込めという性質があるために、クォークは単体で取り出すことができず、必ずQCD弦と呼ばれるひも状のもので他のクォーク、反クォークと結ばれており、高エネルギーに励起されたメソンのスペクトルはこの弦のエネルギーによって解釈できることが知られている。もし同様の考察を3つ以上のクォーク、反クォークからなるバリオンやそのほかのハドロンに適用しようとすると、必然的に枝分かれをしたQCD弦を考える必要が出てくる。私はこの枝分かれ部分のエネルギーを、ゲージ・重力対応を用いてAdSブラックホール時空上のエネルギーとして計算し、ほとんど0になることを示した。二番目は、D6ブレーンと反D6ブレーンが共存するような特殊なBPS背景上でのD0ブレーンの上の量子力学についての研究である。このようなDブレーン配位に対応する超重力理論の古典解は既に知られており、複数のブラックホールがつかず離れず安定して存在しているような系になっている。私はこの系をD0ブレーン上の量子力学の観点から解析し、適当なパラメータ領域ではD0ブレーンに対するポテンシャルが量子力学における2ループまでの量子効果によって完全に再現されることを示した。3つ目は、境界状態と呼ばれる、Dブレーンからの閉弦の吸収、放出を表す状態の、開弦への一般化についてのものである。このような状態は幾つかの種類のDブレーンが共存するような系を考えると自然に現れる。また、そのようなDブレーン系はDブレーン上のゲージ理論のソリトン解として与えられることがあるが、開弦版の境界状態はそのようなソリトンの解析にも有用なのではないかと期待しており、現在さらに研究を進めている。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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