2003 Fiscal Year Annual Research Report
回転する大質量星の重力崩壊に関する数値一般相対論的研究
Project/Area Number |
15740142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 大 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80252576)
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Keywords | 重力崩壊 / ブラックホール / 一般相対論 |
Research Abstract |
太陽質量の8倍以上の質量を持つ重い恒星が進化を終えるとき、中心に形成された鉄の核が重力崩壊しII型の超新星爆発が起こる。そしてその結果、中性子星あるいはブラックホールが誕生する。このような現象に対してこれまでなされた詳しい理論的研究は、爆発の結果物質が吹き飛ぶ様子や中性子星が形成される様子が主である。ブラックホールが形成される条件や形成過程を、現実的な問題設定のもとで調べた研究は皆無である。そこで本課題においては、回転しながら重力崩壊する大質量星の中心核がブラックホールを形成する条件や形成過程を、現実的初期条件を設定し、最近完成させた高精度・一般相対論的数値流体コードを用いたシミュレーションによって明らかにすることを目的としている。 今年度は研究計画通りにシミュレーションを実行し、ブラックホールが形成される条件を調べた。形成される条件は、高密度核物質の状態方程式や重力崩壊する天体の角運動量に強く依存するが、その依存性を明らかにした。具体的には、(i)状態方程式は密度が核密度付近のある値を超える急激に硬くなるが、その閾値の密度が小さいほどブラックホールが形成され難い、(ii)同じ質量でも、角運動量が大きいほどブラックホールが形成され難い、ということが分かった。得られた結果を現在論文にまとめている際中である。また、研究課題と密接に関連する研究も同時に行ない、数編の論文として公表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Shibata: "Collapse of Rotating Supermassive Neutron Stars to Black Holes : Fully General Relativistic Simulations"Astrophys.J.. 595. 992-999 (2003)
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[Publications] M.Shibata, K.Taniguchi, K.Uryu: "Merger of Binary Neutron Stars of Unequal Mass in Full General Relativity"Phys.Rev.D. 68. 0840201-0840224 (2003)
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[Publications] M.Shibata, Y.Sekiguchi: "Gravitational Waves from Axisymmetrically Osillating Neutron Stars in General Relativistic Simulations"Phys.Rev.D. 68. 1040201-1040214 (2003)