2004 Fiscal Year Annual Research Report
回転する大質量星の重力崩壊に関する数値一般相対論的研究
Project/Area Number |
15740142
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 大 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80252576)
|
Keywords | ブラックホール / 重力波 / 相対論 / 中性子星 |
Research Abstract |
ブラックホールの形成条件や形成過程を明らかにすることは、宇宙物理学における最重要問題の1つである。本研究では、高速回転する大質量星がブラックホール形成する条件を明らかにすることを目的とした。また中性子星が形成される場合に関しては、放射される重力波の波形を求めることを目的とした。 研究は、一般相対論的数値流体シミュレーションを行なって進めた。主に軸対称を仮定したシミュレーションを実行した。そして、以下のような結果を得た。(1)鉄のコアが回転しておらず、またその質量が、中性子星の最大質量の1.3〜1.4倍以上の時、ブラックホールが瞬時に形成される。(2)角運動量が増加するほどブラックホールは形成され難くなる。仮に鉄のコアが初期に剛体回転しているとすれば、閾値は最大で20%ほど上昇する。(5)状態方程式にも、閾値は依存する。特に中性子核に移行する密度が小さいほど、閾値は大きくなり、ブラックホール形成が妨げられる。(4)中性子星が形成される場合、発生する衝撃波の形状や放射される重力波の波形は、状態方程式に非常に強く依存する。(5)鉄のコアが初期に剛対回転していて、ブラックホールが形成される場合、コアの質量の10%程度がブラックホール周りのディスクとなる。なお得られた結果はすでに1偏は論文として発表された。 それ以外にも高速回転する超大質量星が重力崩壊する場合のブラックホール形成条件などについても調べ、2本論文として発表した。
|
Research Products
(4 results)