2003 Fiscal Year Annual Research Report
水チェレンコフ型検出器を用いた電子ニュートリノ識別の研究
Project/Area Number |
15740144
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大林 由尚 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50345055)
|
Keywords | ニュートリノ振動 / 大強度陽子加速器 / スーパーカミオカンデ |
Research Abstract |
JHF-SKニュートリノ振動実験で用いる予定の電子ニュートリノ事象探索手法を、K2K実験の1キロトン水チェレンコフ検出器に適用できるようプログラムの整備を行い、モンテカルロ事象にこの解析手法を適用し、SKと相似形である1キロトン検出器においてもSKの場合とほぼ同じ効率でバックグラウンド事象を排除することが出来る事を確かめた。 また、電子ニュートリノ事象探索手法について、さらに効率よく、また不定性が少なく電子ニュートリノ事象を選別することが出来るよう解析手法を吟味し、バックグラウンド事象の主成分である中性カレント反応のぱπ^0粒子生成によるバックグラウンドを選択的に排除することを目指す手法を吟味し、これまで以上に効率よくバックグラウンド除去を行うことの出来る可能性があることが明らかになった。 加えて、SKにおいて電子ニュートリノ出現探索の解析が出来るよう、2002年12月にニュートリノビーム照射が再開したK2K実験のSKでのニュートリノ事象をリアルタイムに収集した。さらに、SKは再建により光電子増倍管の配置が変更されたため、解析のためのプログラム群の変更と最適化、水の透明度、光電子増倍管のゲイン等全てのキャリブレーション用のパラメータの再取得を行い、ニュートリノ事象の解析が行えるよう整備した。来年度はこのデータを用いて電子ニュートリノ出現の探索を行う。K2K実験の統計量は有限な混合角θ13の検出には不十分であるがJHF-SKニュートリノ実験で同じ解析を進められることの非常によいデモンストレーションになると考えられる。
|
Research Products
(1 results)