2003 Fiscal Year Annual Research Report
双重力理論での宇宙モデルのダイナミクスと揺らぎの進化
Project/Area Number |
15740152
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
千葉 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40324602)
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Keywords | 重力理論 / 宇宙背景輻射 / 重力定数 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「一般化された重力理論における宇宙論」であり、今年度は、特に「重力理論と宇宙の加速膨張」および「重力理論と宇宙背景幅射」の課題に取り組んだ。 最近、重力を変更して宇宙の加速膨張を(ダークエネルギーを用いずに)説明しようという試みがある。たとえば、1/Rという項をラグランジャンに付け加えると可能であるが、このようなモデルは、実はω=0のBrans-Dicke理論と全く等価であり、しかも現在補正が効く状況を考えている限りBrans-Dickeスカラー場の質量は軽いものとならざるを得ないので、太陽系の重力の実験(ω>3500)によりこのようなモデルは排除されることがわかった。 さらに、スカラー場が重力とあらわに結合した理論であるスカラーテンソル理論における密度揺らぎの一般的な定式化を以前行った。この定式にもとづき、実際の宇宙背景幅射の揺らぎの観測データ(WMAP)を用いた理論のパラメターの制限の解析を行なった。これにより宇宙背景幅射をもちいた世界で初めての重力定数の時間変化の制限(5%以下)を与えた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] R.Nagata, T.Chiba, N.Sugiyama: "WMAP Constraints on Scalar-Tensor Cosmology and the Variation of the Gravitational Constant"Physical Review D. 69(in press). (2004)
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[Publications] H.Tashiro, T.Chiba, M.Sasaki: "Reheating after Quintessential Inflation and Gravitational Wares"Classical and Quantum Gravity. 21(in press). (2004)
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[Publications] T.Chiba, F.Takahashi, M.Yamaguchi: "Baryongenesis in a Flat Direction with Neither Baryon nor Lepton Charge"Physical Review Letters. 92. 011301 (2004)
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[Publications] T.Chiba: "1/R grauty and Scalar-tensor granty"Physics Letters B. 575. 1-3 (2003)
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[Publications] T.Chiba, K.Kohri: "Supernova Cosmology and the Fine Structure Constant"Progress of Theoretical Physics. 110. 195-199 (2003)