2003 Fiscal Year Annual Research Report
不安定核データ・ニュートリノ輸送流体計算による超新星爆発メカニズムの解明
Project/Area Number |
15740160
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
住吉 光介 沼津工業高等専門学校, 助教授 (30280720)
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Keywords | 超新星 / ニュートリノ / 状態方程式 / 流体力学 / 輻射輸送 / 爆発 / 核データ / 衝撃波 |
Research Abstract |
重力崩壊型超新星爆発のメカニズムの解明は宇宙物理学の長年の懸案であり、銀河の進化・元素の起源を明らかにする上でも、非常に重要な未解決課題である。本研究の目的は、ニュートリノ輸送流体計算によるシミュレーションにより、超新星コアの重力崩壊の様子を調べ、最新の核データを用いた場合に、爆発が起きるか否か、を明らかにすることが研究の目的である。相対論的核子多体理論による状態方程式を用いた一般相対論的ニュートリノ輸送流体計算コードにより、大質量星の進化計算で得られている鉄のコアの初期条件から初めて、重力崩壊・コアバウンス・衝撃波発生・爆発(もしくは衝撃波の消滅)のシミュレーションを行い、段階的に、ニュートリノ輸送・状態方程式・反応レートの影響を調べた。ニュートリノの種類はN_ν=1(電子ニュートリノのみ)とし、計算時間の短縮をはかり、新しい現実的状態方程式が動力崩壊・コアバウンスまでに与える影響について詳しく調べた。電子捕獲反応レートで重要となる核種や、各ニュートリノ反応率の重要性を明らかにした。ミクロ物理の取り扱いと輸送流体計算を注意深く進め、数値計算を効率的に進める手法を確立した。特に、状態方程式の影響について集中的に調べた。これまでの研究で使われてきた状態方程式を用いたシミュレーション計算も行い、結果を比較することにより、状態方程式の違いは、高温高密度物質中の組成の違いに現れており、電子捕獲反応率の違いを通じて中心部のレプトンの量に差が現れていることを発見し、衝撃波のエネルギーへの影響を調べた。また、関連する現象として、重元素、軽元素合成、重力波への影響の研究も進めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] C.Ishizuka, A.Onishi, K.Sumiyoshi: "Liquid-gas phase transition of supernova matter and its relation to nucleosynthesis"Nuclear Physics. A723. 517-543 (2003)
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[Publications] T.Yoshida, M.Terasawa, T.Kajino, K.Sumiyoshi: "Nucleosynthesis of light elements and heavy r-process elements through the n-process in supernova explosions"Astrophysical Journal. 600. 204-213 (2004)
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[Publications] K.Sumiyoshi, H.Suzuki, S.Yamada, H.Toki: "Hydrodynamical study of core collapse and supernova explosion with relativistic EOS table"Nuclear Physics. A730. 227-251 (2004)
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[Publications] K.Kotake, S.Yamada, K.Sato, K.Sumiyoshi, H.Ono, H.Suzuki: "Gravitational radiation from rotational core collapse : effects of magnetic fields and realistic equation of states"Physical Review. D(印刷中). (2004)
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[Publications] K.Sumiyoshi: "Patterns of r-process in collapse-driven supernovae : delayed or prompt mechanism?"Nuclear Physics. A718. 303c-306c (2003)
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[Publications] K.Sumiyoshi: "R-process in prompt and delayed supernova explosions"Nuclear Physics. A721. 1036c-1039c (2003)