2003 Fiscal Year Annual Research Report
ブレーン・ワールド・シナリオに基づく超対称模型の現象論的側面について
Project/Area Number |
15740164
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岡田 宣親 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (40360333)
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Keywords | ブレーン・ワールド / 超対称模型 / 超対称性の破れ / 余次元の安定性 |
Research Abstract |
RandallとSundrumによって提唱された5次元のブレーン・ワールド模型を超対称性をもつように拡張された模型について、5次元半径の安定性についての議論を行った。まず、超対照性が存在する場合には一般に半径方向をパラメトライズする場であるradionはモジュライ場となる点に注目した。したがって、超対称性な場合には半径は決定されない。 ところで、この系を現実的な現象論模型として導入する場合には、超対称性は破れていなければならない。超対称性が何らかのメカニズムで破れた場合には、一般にradionは非自明なポテンシャルを持つことになる。このポテンシャルは、しかし、一般には有限のradionの期待値で停留点を持たず、5次元半径の不安定性を引き起こすことを見ることができる。このポテンシャルを安定化すべく、模型を拡張することは可能であったが、この拡張は好ましくない超対称性の破れの項を超対照標準模型内に生じることを確認した。 そこで、一つの可能性として、超対称条件により半径が安定化される模型を提唱した。我々は超対称Randall-Sundrum模型の5次元内に一対のhypermultipletを導入し、さらに、このhypermultipletに対しbrane上にtad poleタイプのソースを導入した。このソースが適切な範囲の値を持っている場合には、超対称条件が有限の半径を決定するという構造をしている。この超対称な半径安定のメカニズムはこれまで議論されなかった極めて単純な余次元半径の安定化法である。現在Physical Review Dに投稿中の論文「Supersymmetric Radius Stabilization in Warped Extradimensions, N.Maru and N.Okada (hep-th/0312148)」を発表した。 また、ブレーン・ワールド模型の現象論として、将来の加速器における余次元の実験的検証の可能性についても研究を行い、現在Physical Review Dに投稿中の論文「Higgs pair production at a linear e+e- collider in models with large extra-dimensions, N.Delerue, K.Fujii and N.Okada (hep-ex/0403029)を発表した。
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