2003 Fiscal Year Annual Research Report
次世代大強度粒子線形加速器のための超高速・高効率ビーム安定化に関する研究
Project/Area Number |
15740167
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
佐藤 政則 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (90353367)
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Keywords | ビームローディング補正 / フィードバック / Compact-PCI / ビーム安定化 / 振幅変調 / 移相器 / ΔΦ-A / 8電極モニタ |
Research Abstract |
本研究の目的は、大強度粒子線形加速器における、超高速・高効率なビーム安定化システムの開発研究である。具体的には、KEK入射器で開発・使用されている8電極ビームモニタを用いてビームエネルギー広がり・変動を計測し、励振系RF波形を振幅位相変調することによってこれらの変動を高精度に抑制する。本システムを用いれば、ビームのエネルギー広がり及び変動を高精度に補正することが可能となり、線形加速器の性能及び利用実験の測定精度を飛躍的に向上させることが期待される。本研究は、下記の三項目から構成される。 (1)ビームエネルギー変動抑制のための超高速・高精度フィードバック制御システムの開発。 (2)ΔΦ-A変調器によるシングルバンチビームのエネルギー広がり補正。 (3)ΔΦ-A変調器による任意波形マルチバンチビームのエネルギー広がり補正。 まず、上記項目(1)の超高速フィードバック制御システムの開発研究を行った。本制御システムは、Compact-PCIバスを用いた高速CPU及びA/D,D/A(2ch,12-bit,100-MHz)変換ボードから構成される。Compact-PCIは、工業用制御機器に広く普及しているPCIバス規格であり、将来的なシステムの拡張性に優れ、また、多くのメーカーから様々なドーターボードが入手可能である。 平成15年度は、本制御システムをKEK入射器のRF励振系(50-Hz,4-μs)へ組み込んだ場合を仮定し、制御システムの処理速度評価を行った。その結果、最大ビーム繰り返し50-Hzにおいても、本システムを用いればフィードバック制御可能であることが確認された。現在は、制御システムの長期安定性に関する測定及び少ない演算量で効果的なフィードバックアルゴリズムの開発を行っている。来年度は、上記項目(2)及び(3)のビーム試験を行う予定である。
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