2003 Fiscal Year Annual Research Report
ルテニウム酸化物・ルテニウム共晶系の3ケルビン超伝導
Project/Area Number |
15740212
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢口 宏 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30314173)
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Keywords | ルテニウム酸化物 / 共晶 / 界面超伝導 / 一軸性圧力 / スピン三重項超伝導 / 輸送現象 |
Research Abstract |
本研究課題では、スピン三重項超伝導で知られるSr_2RuO_4(超伝導転移温度は1.5ケルビン)の共晶体Sr_2RuO_4-Ru中のSr_2RuO_4-Ru境界で起きる、約3ケルビンという増強された超伝導転移温度を持つ界面超伝導(3ケルビン超伝導)に関する系統的な研究を行い、転移温度上昇のメカニズムを含む超伝導状態の解明とそれに付随する新しい物理の開拓を目指している。今年度は、特に以下の二つの項目について研究を進めた。 1 一軸性圧力効果 3ケルビン超伝導の転移温度上昇のメカニズムの可能性の一つとして、界面での応力の効果が考えられる。一軸性圧力効果の異方性などから知見が得られることが期待できる。今年度は、より基本的なSr_2RuO_4における一軸性圧力効果の研究から開始し、これまでに、約0.5 GPaまでの静磁化率の測定を行うことが可能になった。 2 微小端子を用いた測定 メゾスコピック系などの研究を行い、微細加工を得意とする研究者の協力を得て、共晶系中に析出している、大きさがミクロンオーダーの単一のルテニウム金属片に微小な端子を付けて、単一のSr_2RuO_4-Ru界面の振る舞いを調べる研究を進めている。通常の測定では、試料全体で様々な方向を向いたSr_2RuO_4-Ru界面の平均化された超伝導の振る舞いしか観測できないが、微小端子用いた測定を行うことによって、現象の本質を捉えることが可能になると考えている。これまでに、単一のルテニウム金属片に再現性よく電極を形成する方法をほぼ確立した。またスペクトロスコピーによって、Sr_2RuO_4-Ru界面がきれいなトンネル接合になっていることが明らかになりつつある。
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Research Products
(1 results)