2004 Fiscal Year Annual Research Report
^<43>Ca^+を用いた長コヒーレンス時間量子ビット実現のための実験的研究
Project/Area Number |
15740255
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊田 健二 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (20314403)
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Keywords | イオントラップ / 同位体選別 / レーザー冷却 |
Research Abstract |
まずカルシウムイオンの光による二段階イオン化の実験については、^<43>Ca^+のイオン化実験への重要なステップとして、^<43>Ca^+の存在比(0.13%)とだいたい同じ存在比(0.19%)を持つ^<48>Ca^+を二段階光イオン化法により捕獲することに成功した。具体的には、二段階のアパーチャーを用いて原子ビーム化したカルシウムイオンに423nm,391nm両遷移に共鳴した光を照射することで二段階光イオン化を行い、397nm,866nm光を照射することでドップラー冷却を行いトラップに捕獲する。ここでは、4231nm遷移に対しては半導体レーザーを用い、また391nm遷移についてはハイパワーのLEDを二個用いることで二段階光イオン化を行い、10個以上の^<48>Ca^+を捕獲することに成功した。現在の実験系に397nm遷移励起用のレーザーをもう一系統加えることで、^<43>Ca^+を捕獲することも十分可能と推測される。 さらに単一^<40>Ca^+イオンのサイドバンド冷却実験への準備として、ドップラー冷却の効率に影響を与える過剰マイクロ運動の二次元的な最小化を系統的に行い、到達温度としてドップラー限界温度(0.5mK)に近い1.6mK程度、軸方向の振動量子数n_z〜10を得た。またサイドバンド冷却の際に閉じた冷却サイクルを形成するために必要な基底状態のゼーマンポンピングを行った。 また、サイドバンド冷却において十分高いピークラビ周波数を得るために、現在単一イオンの実験に用いているものよりも出力が大きく安定度も高い光源(共振器長制御のための共振器内電気光学変調器付きチタンサファイアレーザーによる)の開発を行った。参照用共振器として長期、短期安定度いずれも優れた高フィネス(〜10000)のULE共振器を用い、Pound-Drever法を用いて誤差信号を得て、制御帯域1MHz程度の負帰還を電気光学変調器に対して行うことにより、これまでに10kHz/1msという安定度、出力として100mW程度を得た。
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