2004 Fiscal Year Annual Research Report
高強度レーザーを用いた地球深部ダイナミクスの研究-高温高圧下の鉄の音速-
Project/Area Number |
15740327
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
重森 啓介 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助手 (50335395)
|
Keywords | 地球の内核 / 音速計測 / 速度干渉計 / 融点計測 / 状態方程式 |
Research Abstract |
本年度は、地球内核状態の模擬のために極めて重要となる物性値の一つである融点計測法の開発を中心に行った.地球の内核は固体の鉄で、中心部は約6000℃,圧力は350GPa程度とされている.また,地球の外核はより定圧・低温であるが液体の鉄の状態であるとされている.しかしながら,この領域での鉄の融点データや基礎的な状態方程式データなどは欠落しており,実験的にこれらを求める必要がある. レーザー衝撃波による高圧状態下での融点計測法として,静的圧縮法でも用いられている反射計測法が考えられる.衝撃波圧縮によって温度上昇した試料が溶融した場合,その表面にレーザー光を反射させると固体面に比べて反射率は減少する.よって,衝撃波通過前後の反射率の強度変化を計測すれば,状態変化を間接的に得ることができる.また,反射光計測を応用するととにより,その反射光を干渉計測系に組み直すことにより裏面の移動速度(粒子速度)を得ることができる.この粒子速度を得ることができれば,昨年度開発した温度計測系による温度データ,および衝撃波速度を使って状態方程式の全てのパラメータを決定できる. 反射光計測に使用するレーザーは,YAGレーザーの2倍高調波(エネルギー:1J弱)を使用した.また,照射レーザーが反射光計測レーザーの波長に近い場合があるため,ラマンセルを用いた波長変換も行っている.反射光は2分割され,それらを合成することにより干渉縞を形成した.観測面が動く場合はドップラー効果により光速・波長がシフトするため,その干渉縞もシフトする.そのシフト量から粒子速度を決定し,さらに反射率の変化から観測面の状態(固体,液体)を判断する. 本年度はこれら計測系を構築し,実験に供する準備が整った.来年度はこの計測系を使用して実際の鉄ターゲット照射実験を行う予定である.
|
Research Products
(5 results)