2003 Fiscal Year Annual Research Report
画像・電気同時計測による脂質分子の自己集積化初期過程の研究
Project/Area Number |
15750013
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
藤原 久志 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (40264949)
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Keywords | 平面脂質二分子膜 / 自己集積化 / 画像・電気同時計測 |
Research Abstract |
画像・電気同時計測により、脂質二分子膜形成(脂質分子の自己集積化)の初期過程を解明する事を目指し、以下の二つの研究を行った。 1:膜形成初期過程の観測・解析法の確立 二分子膜形成の初期過程、すなわち二分子膜構造が創生する瞬間を、出来る限り詳しく観測するために、画像・電気同時計測システムの改良を図った。画像計測では、まず顕微鏡部分をより開口数の高い生物顕微鏡(オリンパス)に変更した。CCDカメラとしては、モノクロ79万画素8ビットの解像度を持ち、毎秒30フレームの画像を記録可能である購入備品の計測用デジタルカメラ(Opteon製、S B1J 30)を組み込んだ。一方、電気計測では、計測速度を重視し、購入備品のLCRハイテスタ(日置電機製、3522-50)を組み込んだ。これらを制御するプログラムを組み、性能テストを行うと、同時計測速度は9.3Hz(以前のシステムの2.6倍)まで向上していた。さらに、種々の調査の結果、デユアルCPUを用いたマルチスレッドプログラミングを画像計測用コンピュータに導入すれば、さらに30Hz近くまでの速度向上が期待できる事が分かった。現在、この路線に沿ったシステム速度向上の途上であり、改良システムによる膜形成過程の観測はまだ行っていない。 2:単一脂質二分子膜成長の観測 1の研究と並行し、予備実験として、既存の画像・電気同時計測システムにより、単一脂質分子(ジフィタノイルホスファチジルコリン)の二分子膜成長を観測した。得られたデータを解析した結果、膜形成液滴の付着・放置後に、まず膜厚約60nmになるまで薄膜化し、その後二分子膜に相当する膜厚4nmの領域が出現し、その構造を保ったまま拡大・成長する事が確認された。
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