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2003 Fiscal Year Annual Research Report

多層縮環型ヘリセンの合成によるナノスプリング・ナノコイルの創製と機能の発現

Research Project

Project/Area Number 15750035
Research InstitutionWakayama University

Principal Investigator

大須賀 秀次  和歌山大学, システム工学部, 講師 (50304184)

Keywordsヘテロヘリセン / 光学活性 / らせん化合物 / P体 / M体 / 光学分割 / CDスペクトル / DNA
Research Abstract

これまで我々は、ヘリセンジオールをさまざまな溶媒から再結晶することにより包接結晶や超分子結晶を得、その構造をX線結晶構造解析によって調べてきた。その中で、取り込んだ溶媒の種類やヘリセンジオールの立体構造で超分子構造が大きく異なり、ヘリセン骨格の構造も大きく変化することを明らかにしてきた。一方、ヘリセンの芳香環の外縁部に多くのアルキル基を導入し、一般の有機溶媒に非常に溶けやすい性質を持つヘリセンの合成に最近成功した。溶解度の高いヘリセンが合成できれば、これまでに報告例のない三層以上に縮環したヘリセンが得られ、ナノテクノロジーの一分野となる「分子スプリング」や「分子コイル」の創製に発展できると考えた。
今年度は、構成する芳香環の数が7個である[7]ヘリセンから出発し、さらに芳香環の数が増加した[15]ヘリセンの合成を計画した。しかし、出発物質である[7]ヘリセンの大量合成が困難であり、多量の出発物質を得ることができなかったこと、ならびに生成したヘリセンの芳香環部に水素原子がほとんど存在しないため、1H-NMRで生成物の確認が困難であることから、[15]ヘリセンの生成を明確に確認することができなかった。
そこで、ヘリセンの前駆体であるオレフィンを合成する際、ケトンとジケトンの混合物からMcMurry反応を行ったところオリゴマーが生成した。この混合物をそのまま光環化反応にかけた結果、[7]ヘリセン以外に、[11]ヘリセン、[15]ヘリセン、[19]ヘリセンが生成することを、LDI-TOF MSによって確認した。また、比較的多量に生成した[11]ヘリセンについては、GPCによって容易に単離できることも明らかになった。今後は、[15]ヘリセン、[19]ヘリセンの分離精製を行うとともに、より高次のヘリセンの合成を行っていきたい。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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