2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15750037
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
菅本 和寛 宮崎大学, 工学部, 助手 (10274771)
|
Keywords | アルキルヒドロペルオシキド / N-ヒドロキシフタルイミド / 酸素酸化反応 / α,β-不飽和カルボニル化合物 / 固定化触媒 / 環境調和型反応 |
Research Abstract |
1.N-ヒドロキシフタルイミド(NHPl)-アゾ系ラジカル開始剤を複合触媒とするアリールアルカンのヒドロペルオキシ化反応の確立 ヒドロペルオキシ化反応の量適化を図るため,種々のNHPl誘導体の合成を行った。従来の加熱法に変わり,簡便かつ効率的な合成方法を見いだした。この方法は現在論文として投稿準備中である。合成した種々のNHPl誘導体と種々のラジカル開始剤を用いアリールアルカンのヒドロペルオキシ化反応をスクーリングした結果,現在のところNHPlと2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4,-ジメチルバレロニトリル)(V-70)の組み合わせが最も良好な収率で相当するヒドロペルオキシドを与えた。 2.オレフィンのアリル位ヒドロペルオキシ化反応への展開 ヒドロペルオキシ化反応をα,β-不飽和カルボニル化合物に適用した。γ-ジアルキル-α,β-不飽和エステルやケトンは良好な収率でγ位のみが位置選択的にヒドロペルオキシ化された化合物を与えた。また,アンドロスト-4-エン-3,17-ジオンは6-ヒドロペルオキシアンドロスト-4-エン-3,17-ジオンを良好な収率で与え(エントリー5),本反応系がステロイド類のヒドロペルオキシ化反応に応用できることが分かった。しかし直鎖のγ-モノアルキル-α,β-不飽和カルボニル化合物の反応性は低い結果となった。 3.NHPl-アゾ系ラジカル開始剤を複合触媒とする環境調和型ヒドロペルオキシ化反応の開発 固体触媒でのヒドロペルオキシ化反応の確立を試みるため,1.で合成したNHPl誘導体の固定化を検討した。シリカゲルに固定したNHPlの合成法を確立し,現在ヒドロペルオキシ化反応への適用を試みている。
|