Research Abstract |
キャピラリー電気泳動法,高速液体クロマトグラフィーの新しい分離モードの開発を目的として,グルコサミン骨格を有するキトサンを用いて,イオンの保持・イオン間相互作用に関する研究を引き続き進めた.水溶性のキトサンは酸性条件下で優れた電気浸透流のモディファイヤーであり,分析時間の短縮をはじめとして無機陰イオンの分離分析に有効であることを報告した.(日本分析化学会第54年会,名古屋大学;論文執筆中)また,フェノール類や安息香酸類の有機陰イオンをモデル化合物として第四級アンモニウムイオンを対イオンして用い,非イオン界面活性剤へのイオン会合分配に基づく分離分析法を提案した.本研究で提案したイオン会合ミセル抽出系は,溶媒抽出系に代わる新しい分離分析法として有望なものであり,ミセル抽出系と溶媒抽出系で良好な相関関係が得られた.(第25回キャピラリー電気泳動シンポジウム,姫路;PACIFICHEM2005,ハワイ;論文執筆中)キャピラリー電気泳動法に関する研究では,水-アセトニトリル系での有機イオンのイオン会合反応に関する研究,電気泳動注入に基づく飲料水中の臭素酸イオンの高感度定量(第67回分析化学討論会,秋田;発表予定,論文執筆中)も展開した. さらに,これらの研究に加えて,フロー分析法による水中オゾンの化学発光分析法,フロー分析法による海水中臭化物イオンの定量,キトサン樹脂を銀の前処理濃縮法として用いる分析法を報告した. また,啓蒙的な書籍として「機器分析ラボガイド」を分担執筆した.
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