2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識能を持つDNAを利用した一塩基多型(SNPs)の簡便検出法の開発
Project/Area Number |
15750070
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
矢野 和義 東京工科大学, バイオニクス学部, 助教授 (40262109)
|
Keywords | HLA / BIAcore / SPR / ゲノム / 一塩基多型 / SNPs / アプタマー |
Research Abstract |
本年度は、実際にヒトゲノムに存在するSNP配列として、臓器移植において拒否反応の原因となるヒト白血球抗原(human leucocyte antigen: HLA)に着目し、これをもとにプローブとターゲットを設計した。ターゲット配列(HLA-15C:5'-GCG GTG GAC ACC TAC TGC AGA CAC AAC TAC-3')は、DR座(DRB1^*0101)から選択した。それに対応する一塩基変異として、実際にゲノム上に存在するのは15番目のCがTに変異したHLA-15Tである。しかし、本検出系の性能を検証するために他の一塩基配列(HLA-G及びHLA-A)についても対照実験を行った。検出にはSPRセンサー(BIAcore)を用いて各DNAの長さ、濃度、流速、温度などの最適化を行った。 各サンプルDNAの濃度はすべて50μMとなるように調製し、熱変性してthree-way junction構造を形成させた後、それぞれ20μlずつセンサーチップに注入した。流速は常に5μl/minとした。サンプルを注入する直前と注入後2分間経過時点のSPRシグナルの相対変化をSPR応答値(ΔRU)とした。 その結果、HLA-Perfect match(target DNA: HLA-C)のSPR応答値は132RUであったのに対し、一塩基変異体であるHLA-Mismatch(target DNA : HLA-G、A及びT)は全て有意な値を示さなかった。このことから、HLA多型のような実際に人のゲノムに存在するSNPsについても本方法によって検出できるということが確認された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 矢野和義: "アプタマー 〜バイオセンシングのための核酸分子認識素子〜"Bioベンチャー(羊土社). 5,6月号. 28-31 (2003)
-
[Publications] K.Yano et al.: "Preparation of a whole genome phage library using fragmented Escherichia coli genome and its characterization of protein binding properties by surface plasmon resonance"Biosensors & Bioelectronics. 18(10). 1201-1207 (2003)
-
[Publications] K.Kojima et al.: "Electrochemical Protein Chip with Arrayed Immunosensors with Antibodies Immobilized in a Plasma-Polymerized Film"Analytical Chemistry. 75(5). 1116-1122 (2003)