2004 Fiscal Year Annual Research Report
水中における光感応性ミセルを用いた環境調和型有機光反応系の開発とその応用
Project/Area Number |
15750081
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉見 泰治 福井大学, 工学部, 助手 (30345673)
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Keywords | 環境調和型有機反応 / 有機光反応 / 光感応性ミセル |
Research Abstract |
水中における環境に配慮した光反応の開発を目指して,光応答性界面活性剤を使用した水中での光反応を検討した。界面活性剤に光応答性の置換基を加えた新規な界面活性剤を合成し,水に不溶な反応物と形成する組織体を光反応の反応場として利用する。そのような界面活性剤としてナフタレンの1位にメチレン鎖10個を連結し、親水基としてカルボキシ基もしくはアンモニウム塩を有する界面活性剤を合成した。それに、インデン、ジシアノベンゼン、シアノベンゼンを加え、水中で12時間撹拌すると,白く濁ったエマルジョン溶液が得られた。この溶液に光照射すると,インデンに水が極性付加したアルコールが高収率で得られた(レドックス光増感反応)。また、昨年見出した1,1-ジフェニルエテンの反応と同様に、様々な反応条件よりも,合成した界面活性剤を用いた水中での反応系が一番優れている。これは、疎水相互作用のために水中において水に不溶な有機物の油滴に光感応部分が取り込まれ,界面において効率よく反応が進行するためである。また、反応終了後この界面活性剤を高収率で回収できるため,非常に環境に対してやさしい反応である。さらに親水基の違い(カチオン性やアニオン性)やメチレン鎖の長さにより反応の効率が大きく変化した。このように,水に不溶である有機化合物においても本研究で見出した光応答性界面活性剤を用いると,反応が界面で進行し、水100%中においても効率よく反応が進行すること、親水基やメチレン鎖の長さにより反応性が変化すること、また様々な反応に応用が可能であることがわかった。
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Research Products
(2 results)