2004 Fiscal Year Annual Research Report
反応性メタラサイクルを経由する触媒的環拡大反応の開発
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15750085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 学則 京都大学, 工学研究科, 助手 (80359778)
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Keywords | シクロブタノン / ロジウム / アリールボロン酸 / β炭素脱離 / インダノン / ニッケル / 不斉四級炭素 / 環拡大 |
Research Abstract |
本年度はシクロブタノンを用いる環拡大反応を3形式開発し、5,6,および7員環ケトンの合成に成功した。 1.Rh触媒による分子内付加/開環反応によるベンジル位四級炭素を有するインダノンの合成:3位にo-ボリルフェニル基を有するシクロブタノンを1価ロジウム触媒存在下加熱したところ、トランスメタル化により生じたアリールロジウムのシクロブタノンのカルボニル基への分子内付加が起こり、続くロジウムシクロブタノラートからのβ炭素脱離、プロトノリシスにより5員環ケトンを与えた、また不斉反応への展開を行なったところ、光学活性インダノン誘導体が最高88%eeで得られた。 2.Ni触媒によるアルキンのシクロブタノンへの分子間挿入反応によるシクロヘキセノンの合成:0価ニッケル触媒存在下、シクロブタノンとアルキンを加熱したところ、多置換シクロヘキセノンが得られた。本反応は、まず0価ニッケル上でのシクロブタノンのカルボニル基とアルキンからの酸化的環化によってオキサニッケラシクロペンテン中間体が生成し、これからのβ炭素脱離によって7員環メタラサイクルを与え、最後に還元的脱離によって6員環α,β不飽和ケトンを与えている。 3.Rh触媒によるアルキン置換シクロブタノンのアリール化/環拡大反応による7員環ケトンの合成:3位にo-アルキニルフェニル基を有するシクロブタノンとアリールボロン酸を1価ロジウム触媒存在下加熱したところ、付加/環拡大反店が進行し、ベンゼン縮環7員環ケトンを与えた。この反応は1)アリールロジウムのアルキンへの付加によるビニルロジウムの生成、2)シクロブタノンのカルボニル基への分子内付加によるロジウムシクロブタノラートの生成、3)環拡大を伴うβ炭素脱離によるアルキルロジウムの生成、4)連続するβ水素脱離/再付加によるη^3-オキサアリルロジウムの生成、5)プロトノリシスによる7員環ケトンの生成とロジウム触媒の再生、によって進行したと考えられる。
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Research Products
(6 results)