2003 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサンを用いた分子の整列化と配列化:自己複製人工DNAへの展開
Project/Area Number |
15750116
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
徳永 雄次 福井大学, 工学部, 助教授 (80250801)
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Keywords | ロタキサン / 自己集合 / 水素結合 / 超分子 / π-π相互作用 / 分子認識 |
Research Abstract |
ポリロタキサン合成の検討 2級アンモニウムとジベンゾ24クラウン8(DB24C8)との間に働く水素結合を用いたロタキサン合成に成功した。本法は末端部位にα-メチルスチルベンを持つ擬ロタキサンのかさ高さの調節を2重結合の光異性化によって行い、高収率でロタキサンを与える手法であり、共有結合を見かけ上形成しないことから全く新しい合成法である。またこのシス・トランス異性化は平衡でありため、条件により可逆的にロタキサン合成とその解離を可能にする。ロタキサン合成に成功したので、次に本法、あるいは以前に我々が開発したジアリルジアゾメタンを用いるエステル化による合成法によって、オリゴロタキサンの合成を検討したが、軸部位となるオリゴアンモニウムの有機溶媒への溶解性が乏しいため、これらの方法を用いた効率的なオリゴロタキサン合成は達成できなかった。そこで溶解性を向上する目的で、オリゴエチレングリコール-金属イオン間の結合を用いたロタキサン合成の検討を開始した。本結合を用いたロタキサン合成には、成功していないものの、軸と環双方にエチレンレンコール単位を持つロタキサンにおいて、アルカリ金属イオンとの選択的な認識を確認した。今後、オリゴエチレングリコールとクラウンエーテルと金属イオンの3成分からオリゴロタキサンの合成を実施する予定である。 π-π次相互作用を用いた擬ロタキサン形成能の向上 オリゴ及びポリロタキサン合成では、均一なロタキサン部位の構築が問題となる。そこで高比率でオリゴロタキサンを形成するために、アンモニウム-クラウン間に働く水素結合に加え、π-π相互作用を用いたロタキサン形成を検討した。その結果、π欠如-π過剰系相互作用が効果的に働き、ロタキサンの結合定数で2倍の改善が見られ、今後オリゴロタキサン合成に展開予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Tokunaga, K.Akasaka, K.Hisada, Y.Shimomura, S.Kakuchi: "A rotaxane synthesis based on stilbene photoisomerization. A photoswitchable catch and release process"Chemical Communications. 2250 (2003)
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[Publications] Y.Tokunaga, H.Sakon, H.Kanefusa, Y.Shimomura, K.Suzuki: "Molecular dynamics of amphiphilic calixarene"Arkivoc. 2003 part(viii). 135-143 (2003)
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[Publications] K.Hisada, K.Tanaka, T.Hori, H.Sakon, Y.Tokunaga: "Preparation of Supramolecular Assembly Films of Fullerene C60 on the Aqueous Solution of Water-soluble Azocalixarene"Transaction of the Materials Research Society of Japan. 29. 241-244 (2004)
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[Publications] K.Hisada, K.Tanaka, T.Hori, H.Sakon, Y.Tokunaga: "Preparation of Supramolecular Assembled Films of Fullerene C60 on the Aqueous Solution of Water-soluble Azocalixarene"Composite Interfaces. (in press).
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[Publications] 合田達広, 徳永雄次, 若松奈々絵, 下村与治, 瀬尾利弘: "種々の24-クラウン-8と2級アンモニウムとを用いた擬ロタキサン形成"日本化学会第84春季年会 2004年 講演予稿集. II. 1372 (2004)
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[Publications] 角地鈴香, 徳永雄次, 合田達広, 下村与治, 瀬尾利弘: "ポリエーテル鎖を含むロタキサンの金属イオン認識"日本化学会第84春季年会 2004年 講演予稿集. II. 1372 (2004)