2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサンを用いた分子の整列化と配列化:自己複製人工DNAへの展開
Project/Area Number |
15750116
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
徳永 雄次 福井大学, 工学部, 助教授 (80250801)
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Keywords | ロタキサン / 自己集合 / 水素結合 / 超分子 / π-π相互作用 / 分子認識 |
Research Abstract |
計画に従し,1)π-π相互作用を用いる方法,2)2個の軸分子を束ねる方法と,さらに3)金属イオンの配位による方法にて,分子の整列化と配列化に関する研究を実施した. 1)π-π相互作用を用いる方法:まず環状分子として,電子欠如な芳香族(ナフラリミド部)と電子豊富な芳香環(トリフェニレン)とを持つクラウンエーテルを合成した.一部のクラウンエーテルと2級アンモニウムとの間に働く水素結合によって,ロタキサンが形成されることを見出した. 2)2個の軸分子を1個の環が束ねる方法:2個の軸分子を認識する環分子(28-38員環クラウン)の合成を行い,続いて嵩高さの異なる末端部位を持つ軸分子を数種合成し,軸分子の認識能をそれぞれ観測した.その結果,本環分子群の軸分子認識は,24員環クラウンに比較しあまり強くないことが確認された.また,末端部位の嵩高さの違いによる擬ロタキサンの形成・解離速度の変化も観測した. 3)金属イオンの配位による方法:複数の環部位間に働く相互作用を期待し,ダイマー形成能を持つクラウンエーテルとオリゴアンモニウムとのロタキサン2重線の合成を検討したものの,複雑な混合物を与えるに留まった.これは,環が軸上で自由に回転していることに基づくものと考察した.そこで環の軸部への緩やかな固定化を期待し,ロタキサンの金属イオン取り込みについて検討した.その結果,導入したオリゴエチレングリコール部位とアルカリ金属イオンとの配位結合によって,環の固定化が行われていることが示唆された.またこの配位においては,エーテル部位の酸素の塩基性度が重要であることが判明した.
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Research Products
(5 results)