2004 Fiscal Year Annual Research Report
静電的相互作用を用いた高分子積層膜の構築とその重合特性
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15750126
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
竹岡 裕子 上智大学, 理工学部, 助手 (50338430)
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Keywords | 静電的相互作用 / Self-assembly法 / 超薄膜 / ポリチオフェン / 自己組織化 / 固相重合 |
Research Abstract |
分子の自己組織性を利用したSelf-assembly法(Layer-by-Layer)法により、自発的に基板に分子を吸着させ、分子レベルで組織化された機能性薄膜を構築することを目的として研究を行った。 1.固相重合を用いたポリジアセチレン超薄膜の作製 ジアセチレン(DA)基を有するジカルボン酸、アルキル系ジアミン誘導体、縮合剤を用い、Self-assembly(SA)法により、機能性分子を共有結合させながら積層することで、ジアセチレン基を有する薄膜を作製した。得られたSA膜は、γ線の照射により、固相重合が可能であった。一方、縮合剤を用いなかった場合には、固相重合が進行しなかった。一般的に、DAの重合には、秩序だったDA分子の配列、および重合に適した配向性が必要である。縮合剤を用いずに、静電的相互作用のみで作製した膜中では、DA分子の配向性が低いのに対し、縮合剤を用いた系では、共役結合により、重合に適した配向に分子が固定化され、固相重合が進行したと考えられる。以上により、縮合剤の優位性が示された。 2.異種の導電性高分子からなる有機ヘテロ超薄膜の設計 導電性高分子であるポリチオフェン誘導体のチオフェン環3位にスルホン酸基(SO_3^-基)、あるいはカルボキシ基(COO^-基)を導入したアニオン性高分子を合成した。いずれも水溶性ポリマーであり、スルホン酸基を有するポリマーは、自己ドーピング機能を示した。これらを用いて、四級アミンを側鎖に有するポリチオフェン誘導体とのSelf-assembly膜を作製した。いずれの高分子を用いた場合にも、均一な積層が確認され、全ポリチオフェン系ヘテロ薄膜の作製が可能であった。また、SA法による交互積層を行うことで、ポリマー主鎖の平面性が向上し、各ポリマー単独のスピンコート薄膜より、導電率が向上した。特に、自己ドーピング特性を有するスルホン酸基含有ポリチオフェンをSA膜の成分として用いることにより、更に導電率が向上した。以上より、SA法の適用により、様々な機能性を有する分子の交互積層が可能であり、それらの分子の特性を併せ持った薄膜の作製に成功した。
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Research Products
(5 results)