2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞表層に存在する膜貫通型蛋白質への機能性分子導入法の開発
Project/Area Number |
15750137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
築地 真也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40359659)
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Keywords | 蛋白質半合成 / インテイン / スプライシング / 細胞表層工学 / 蛋白質工学 / 細胞工学 |
Research Abstract |
本研究では、細胞表層の膜貫通型蛋白質の細胞外および細胞内ドメインに様々な機能性合成分子を導入するための半合成的手法の開発を目指している。そのための基本戦略として、細胞内で発現させた蛋白質フラグメントと細胞外で調整した合成蛋白質フラグメントをSsp DnaEインテインのtrans-スプライシング活性を利用して連結させるというアプローチを試みている。現在、この手法の有効性を検証することを目的として二つの実験系を進めている。まず一つ目は、膜貫通型蛋白質の細胞外ドメインへの有機分子ラベリングである。この系においては、モデル実験として血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)の膜貫通ドメインをターゲットにしている。PDGFR膜貫通ドメインのN末端にDnaE(C)を融合させたキメラ蛋白質の発現ベクターが完成し、動物細胞内での遺伝子発現まで確認している。また大腸菌発現系と有機合成を組み合わせることで、合成小分子(フルオレセインやビオチン等)をN末端に修飾したDnaE(N)の調整を行っている。大腸菌発現用ベクターの構築、蛋白質発現系の確立、修飾用小分子の有機合成まで終了しており、現在発現DnaE(N)への小分子修飾条件を検討している段階である。DnaE(N)の化学修飾が終了し次第、DnaE(C)-PDGFR融合蛋白質を発現した動物細胞上でのtrans-スプライシング反応および細胞表層への小分子ラベリングについて評価し、細胞外ドメインの化学半合成というアプローチの可能性について検討を進めていく予定である。二つ目の実験は、細胞の中での蛋白質半合成である。この系においては、モデル実験として緑色蛍光蛋白質(GFP)をターゲットにしている。GFPを中央付近でスプリットし、そのN末端側半分をDnaE(N)との融合蛋白質として動物細胞内で発現させ、またC末端側半分はDnaE(C)との融合蛋白質として調整した後、細胞膜透過能を有するTatペプチドとビオチンを修飾した。Tatペプチドを連結したDnaE(C)-GFP(C)フラグメントはGFP(N)-DnaE(N)を発現した細胞内に移行し、trans-スプライシング反応によって全長かつ合成分子を組み込んだGFPが再構成できることを蛍光顕微鏡観察により確認している。現在、更なる検討を行っているが、この結果によりtrans-スプライシング反応を利用した細胞内蛋白質の半合成という戦略の有効性が見え始めている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Shuji Takeda, Shinya Tsukiji, Teruyuki Nagamune: "Site-Specific Conjugation of Oligonucleotides to the C-terminus of Recombinant Protein by Expressed Protein Ligation"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. (印刷中).