2003 Fiscal Year Annual Research Report
生きた細胞内における遺伝子診断を可能にする機能性核酸プローブの設計
Project/Area Number |
15750141
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山東 信介 京都大学, 工学研究科, 助手 (20346084)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子診断 / 細胞 / DNA酵素 / 細胞内遺伝子診断 / 大腸菌 / 薬剤 / スクリーニング |
Research Abstract |
酵素・試薬等を必要とせず、細胞内で自発的に機能する細胞内遺伝子診断用オリゴヌクレオチドプローブの設計、塩基配列の最適化を重点的に行った。本法の実現は生きた細胞内における遺伝子発現を高精度で識別し、高速で検出する"生細胞内遺伝子検出・診断"を可能にする。標的核酸をアロステリックエフェクターとし、標的核酸と二本鎖を形成した時にのみ活性構造を有するように設計した自発的自己切断配列を含むオリゴヌクレオチドプローブ(TASCプローブ:Target Assisted Self Cleavage)を合成した。このTASCプローブを用いた細胞外遺伝子診断実験においては、FRETペアーを同一鎖内に導入することにより、自己切断によって誘起される蛍光発光により迅速に遺伝子診断を行えるようになった。また、細胞内遺伝子診断においては、標的核酸非存在下における自己切断が検出精度の点で大きな問題となるが、ヘアピン形成部分のオリゴヌクレオチド長を最適化することにより、非特異的自己切断を十分抑制できることが確認された。また、その精度は非常に高く、1塩基の違いを区別することが可能であった。また、自己切断により37度条件下において切断フラグメントが自発的に標的核酸から解離し、シグナルを触媒的に増幅させていることもポリアクリルアミドゲル電気泳動実験より確認されている。TASCプローブは、その遺伝子検出・診断において、酵素、試薬等を一切必要とせず、細胞内遺伝子診断の要求を満たす。また、0.1%SDSを用いることにより、効率よく生大腸菌内に本プローブを導入できることが確認された。本プローブは、生きた細胞内で遺伝子を「認識」、「増幅」、さらに「診断する」インテリジェントケミカルプローブであり、生細胞内遺伝子検出・診断実現の可能性は非常に高い。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Shinsuke Sando, Toshinori Sasaki, Keiichiro Kanatani, Yasuhiro Aoyama: "Amplified Nucleic Acid Sensing Using-Programmed Self-Cleaving DNAzyme"Journal of the American Chemical Society. 125. 15720-15721 (2003)